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JAZZyaro

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07-22 13:47

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日本の映画監督 天才監督・山中貞雄の皮肉な運命 <最終回>

◆ 山中貞雄に会ってみたい

 そうなのだ、山中貞雄は中国戦線に征かずにすんだのである。

 山本監督の本で紹介されている経緯が本当ならば、彼は日本に残っておれたのだ。戦争に行かずに、スタジオに戻ってまた映画を撮れたのだ。
 それが・・・召集した兵士が多すぎて、一旦、除隊させるとなった中に山中もいたというのに、その夜に自殺し損なった律儀な忠義者のせいで、再び戦地送りとなってしまったのだ。

 まったくなんてことだ! なんてことなんだよ!
 その作品を観た誰をも魅了する、素晴らしい映画を創った天才をむざむざ犬死にさせてしまうなんて・・・。

 悔しい、悔しすぎる・・・『丹下左膳餘話 百萬両の壺』みたいな、現代感覚満点のハイカラ&洒脱な時代劇コメディを作り得た天才を亡くした俺たちには、一体ナニが残っているというのだ・・・と「山中を偲ぶ会」で囁かされたかどうかは知らないが、おそらくそんなことでみなが沈んだ気持ちになった事は想像できる。

 今公開中の『ハクソー・リッジ』で敵も味方もとにかく助ける非武装の衛生兵(デスモンド・ドス)は見上げた信念の徒だが、除隊することになった応召兵がそれを恥と感じて死のうとしたのも信念の証。私ならデスモンドの生き方を選ぶ、と言いたいところだが、その時代に生きていなかった自分に果たしてそれが出来るかどうか(できないね、きっと)。おそらく自殺しそこなった応召兵や山中貞雄らと同じように、なすすべなく戦地に赴いたに違いない。

 戦時下というのは、そんな無力な、無慈悲な、異常な時間である。

 山中貞雄の皮肉な戦場送り、そしてその死は「戦争は悪だ」という当たり前のことを、改めて思い起こさせてくれる。


 因みに、私にはあの世に行ったら、肉親や友人以外に会ってみたい人が3人いる。


     伊藤大輔、小津安二郎、そして山中貞雄がその3人だ。   <完>


丹下左膳餘話 百萬両の壺
▲ 『丹下左膳餘話 百萬両の壺』(昭和10=1935・日活) 出典:amazon

<山中貞雄・餘話>
 今から15年くらい前の日曜の昼下がり、録り溜めたビデオの中からヒョイと選んで再生。オープニング・タイトルもロクに見ずに・・・ということはなんの映画かも知らずに観ていたら、なんとも言えない心地よい軽いタッチ、いや、その巧妙なる仕組みと演出にただならぬものを感じ、情婦の尻に敷かれた滑稽な大河内傳次郎のズッコケ左膳に大笑い。コメカルな作風がモダンなストーリーテリングとあいまって光り輝いている事に驚愕した。

       そーか、これが『百萬両の壺』か! これが山中貞雄なのか!!!


 巻き戻して見直したタイトルこそが『丹下左膳餘話 百萬両の壺』で、私は背中にゾクゾクッと嬉しい寒気を感じたのである。


※出典および参考文献
●『映画監督 山中貞雄』 加藤泰、キネマ旬報社
●『カツドウヤ水路』 山本嘉次郎、筑摩書房
●『日本映画監督全集』 キネマ旬報社
●『日本映画俳優全集・女優篇』 キネマ旬報社


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日本の映画監督 天才監督・山中貞雄の皮肉な運命 <4>

◆ 山中貞雄は戦地に征かずともよかったのだ!

カツドウヤ水路
▲『カツドウヤ水路』山本嘉次郎、筑摩書房
※同書は『続・カツドウヤ水路』等と合本され、『伝記叢書301 カツドウヤ自他伝(伝記・山本嘉次郎)』として大空社から刊行。


 山中貞雄はなぜ死ななければならなかったのか--その重い運命は『やすらぎの郷』とは遠く離れてしまうのだけど、ついでだから紹介しておきたい。

 その、歯ぎしりしたくなるような皮肉な運命は、溝口健二を調べている時に読んだ山本嘉次郎監督の本の中にあった。以下にその全文を掲載するが、私は山本監督の本から抜き書きしたこのメモに、

         「運が悪いとしかいえない、山中の召集と戦死への道」

 というタイトルを付けた。読めば判るが、その道筋は〝運が悪い〟としか言えないのだ。


 彼〔山中〕の生れは京都だったので、伏見の連隊へ入隊した。そして、師団のある福知山へ集結させられた。
 そこで解除になったという電報が、東京の知人にとどいた。
むやみに召集したので、員数が余ったのである。その余ったなかに彼が入っていた。彼は帰されることになった。
「サドやん(山中の愛称)アゴが長いよってン、あいつのアゴに合うアゴヒモのシャッポンあらへンよって、帰されたンとちがうかいな」

 ところが、当然帰京して来る日がきても、彼は姿を見せなかった。心配して調べてみると、
彼の召集解除は取消しになって、ふたたび召集されてしまったことが判った。それには次のような事情があった。
 彼は除隊になり、その夜は他の除隊になった壮丁(つまり兵隊適合者である)たちと、福知山の駅前の旅館に同宿した。その夜更けに、
ひとりの自殺者が出た。短刀かなにかでノドを突いたが死に切れずに、大騒ぎとなったのである。自殺は未遂に終った。
 憲兵が飛んで来て事情を取調べると、その男は、
「歓呼の声に送られて、故郷を出て立って来たからには、
いまさらオメオメと生きては帰れません。今回は不幸にして一命を取り止めましたが、かならず死んでこの恥をそそぎます」
 というのである。これが憲兵から連隊長へ伝えられた。
「それほどに思いつめているならば……」

 男は、再び入隊が許されることになった。
「…(略)…。ほかにも再入隊志願のものがあろう。…(略)…」
 連隊長の好意のこもった言葉が同宿の青年たちに憲兵によってもたらされた。みな、われもわれもと再入隊を志願した。山中ひとりが、
「わたしは、ちがいます。帰してもらいます」とはいえなかった。
 そして彼は、みなと一緒に、ふたたび「帰らざる旅」へ出発してしまったのである。おそろしいことである。


 こうして山中は、行きたくもない戦争へヒョンなことから連れて行かれ、徐州会戦を前にして悪性の腸炎のため、あたら天才を中支の泥土のなかに埋めてしまったのである。
                 (『カツドウヤ水路』山本嘉次郎、筑摩書房) ※〔〕内、高村註。

 これを読んだ時、二、三日、気分が悪かった。持って行き場のない怒りがこみ上げてきて、腹が立って仕方がなかった。 <続く>

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日本の映画監督 天才監督・山中貞雄の皮肉な運命 <3>

◆ 山中の位牌の前で涙して・・・

映画監督 山中貞雄
▲『映画監督 山中貞雄』 加藤泰、キネマ旬報社


 女性に奥手な山中貞雄は映画で起用した深水藤子を気に入ったものの、積極的に口説いたりすることもなく、でもなんとなく気に入っているようだった・・・というのが山中関連の映画本(今、それが稲垣浩監督の本だったか、上記の加藤泰のだったか、どの本だったか判らないが)で知った二人の仲で、深水の方が「山中にお嫁さんにもらってもらえるのなら・・・」と乗り気だった、と書いてあった記憶がある。
 深水の本名は安田富士子、「安田」でピンと来る人もいるだろうが、彼女は後に大映でプログラム・ピクチュアを撮った安田公義監督の妹である。山中の作品には『国定忠治』『丹下左膳余話 百萬両の壺』『関の弥太ッぺ』『街の入墨者』(以上、すべて日活京都、昭和10=1935年)などに出演。この『街の入墨者』の頃から山中との仲が囁かれるようになる。

 ところが山中は兵役に取られて戦地に去り、そのまま北支戦線(中国)で戦病死してしまう--昭和13年9月17日。数えで三十、満で二十八歳と十ヶ月(二十九歳)であった。

 内地(日本)には10月になってから悲報が届き、東京や京都で「山中を偲ぶ会」が有志によって数度開かれ、追悼上映会なども催された。
 そんな10月のある日、山中の位牌が置かれた京都の(貞雄の)長兄・山中作次郎宅を深水藤子は訊ねている。

 ……山中貞雄の位牌は、父、喜三右衛門、母、ヨソの位牌とともに置かれ、映画監督山中貞雄の写真が飾られ、燈明、供物が絶やさず供えられてあったのである。深水藤子は、その位牌に線香をと挨拶し、通されて、その仏壇の写真と対面したのである。そのときのことを〔貞雄の〕姪の道子がこう語っている。
「それでね、戦死、聞いたときに、(深水さん)家へ来はって、で、お仏壇にお詣りしはって、ちゃんと坐ったまま、しばらく動かはらへなんだもんね。ポロポロポロポロ、涙こぼして。うちら……どうしよう、言うて……。なぐさめようもないし。だいぶ長いこと坐ってはった……」
                         (『映画監督 山中貞雄』 加藤泰、キネマ旬報社)


 ずっと後年、深水藤子が山中について語った記録(インタビュー)もあるのだが、それがどの本の中にあったか判らないので、引用できない。引用できないけれども、上記の『映画監督 山中貞雄』の一文を読めば、深水藤子がいかに山中を慕っていたか、愛していたかが判ると思う。

 『やすらぎの郷』の姫こと九条摂子と千坂監督の悲恋もこんな感じじゃないのかなあ・・・と想像するのはとても楽しい。楽しいけれど、私が紹介したいのはこういう戦火の淡い悲恋話ではない。

 山中貞雄はなぜ死ななければならなかったのか、という重い運命についてである。 <続く>


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日本の映画監督 天才監督・山中貞雄の皮肉な運命 <2>

◆ 出征後、山中の家を訪れた深水藤子

深水藤子250
▲ 深水藤子(右上)
出典:ウエブサイト「昭和モダン好き」=「雑誌記事「深水藤子・吉野朝子・八雲理惠子・大川平八郎・藤原釜足」(1935)」より   http://showamodern.blog.fc2.com/blog-entry-1294.html


 昭和12年8月に山中貞雄が出征した時、彼はすでに京都(日活)を去って上京しPCL(現・東宝)で映画を撮っていた。彼は東京の青山南町に家を借りており、ここには友人で映画監督の滝澤英輔(本名・滝澤憲、名作『雄呂血』などの監督・二川文太郎は彼の兄)と同居のような状態であったが、そんな男所帯に「映画界で働きたい」と山中の従兄弟・加藤泰が押しかけて一緒に住むことになる。
 だが山中はPCL入社第1回作品『人情紙風船』(昭和12=1937年、山中作品としては21本目)を発表してすぐに戦争にとられる。

 かつて山中貞雄監督が召集令状を受け取った時、手が震えて煙草の火がつかなかったという話を聞いていた…(略)…。

 と書いたのは松竹出身の吉村公三郎監督だが、吉村は自分に赤紙が来た時、この山中の話を思い出し、わざと煙草に火を付けて吸ってみた。手が震えて火が付かないなんて事もなく、煙草の味も変わらなかった、と自著『あの人この人』(協同企画出版部)に記している

 山中は赤紙を恐れていた。それは、戦争に行けば自分は死ぬ、と判っていたからではないのか。
 作品論を挟むと長くなるのでやめたいが、『森の石松』など山中貞雄の後期の作品はおしなべて「暗い」との評判で、それを稲垣浩ら鳴滝組の仲間達は心配した。遺作の『人情紙風船』を観れば、生きるのを投げたようなその「暗さ」がいやというほど判るが、それが後に戦死する彼の運命を暗示していた、とはよく言われることである。

 主の山中なき青山の家で、一人留守番をすることになった加藤泰は、日がな一日、山中が置いていった本を読んでいた。すると玄関の方で声がした。

 それでノソノソ玄関に出て行った。パーッとその目に華やかなものが飛びこんだ。小柄な、目のパッチリした丸ポチャの、この世にこんな綺麗な女がいるのかと思うような女がそこに立っていた。その母親らしい年配の婦人がその横に立っていた。「山中さんは……?」とその年配が口をきいた。ぼくは飛び上がって坐って、シドロモドロで、「もう出かけた」という意味のことを口走ったようだった。綺麗で若い方が、その大きな、鈴を張ったような目をしばたたかせ、何か言って急いで、丁寧に腰を折って、二人は去った。 …(略)…。
 そして、ああ、深水藤子だったと気がついた。  (『映画監督 山中貞雄』加藤泰、キネマ旬報社)


                                          <続く>

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映画ライター・高村英次、初の書き下ろし長編 『 ラストシーンの余韻 酒乱と失態、女難と頑迷、監督・溝口健二の狂おしき人生 』

高村英次

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