初の書き下ろし長編 『 ラストシーンの余韻 』、電子書籍で発売!

〝エンマ〟 と呼ばれた鬼監督 ・ 溝口健二の傷だらけの半生

            ラストシーンの余韻・2
   ▲ 『 ラストシーンの余韻  酒乱と失態、女難と頑迷、監督・溝口健二の狂おしき人生 』
          著者・高村英次  ウェブサイト 「楽天ブックス」 にて発売中。

               -   3月30日より販売再開!  -  



            溝口健二
というトンデモナイ監督をご存じか?


 映画ファン、とりわけオールドタイムの日本映画を好んで観る人ならば説明の必要はないだろう。溝口はいわずとしれた日本映画界の、いや世界の大監督である。 『浪華悲歌』 『祇園の姉妹』 『西鶴一代女』 『雨月物語』 といった名作を残した彼は60年も前にこの世を去っている。
 だがその作風は没後も全世界の映画人に影響を与えており、例えば溝口がよくやった 「長廻し」 という人物を追いかけてず~~~と長い時間ワンカットで撮り続ける手法は、今、劇場で上映されている日本映画のスクリーンでもよく見かける。
 ただし、今の若い監督(40~30代の第一線の人たち)のそれは、長く廻せば溝口映画のような持続的な <重い> 緊張感や充実感を得られると思ってやっているのだろうと察するが、実はカットを割らずに手早く撮ってしまおうという演出者の腕のなさを隠すためにやっているようにしか見えない(長く廻しときゃあマシに見えるだろ、ってなもん)。

 ホントの長廻しとは、役者の芝居とキャメラワークが渾然一体となった、ドラマと契りを結んだような、不可分な強靱さとオーラに満ち満ちていなければいけない。


    エッ、アレハンドロ・G・イニャリトウ 『バードマン』 でやってる、って?

               あんなのクソじゃないですか!  

 アレって全部やる事を設定して「こうきたら、こうやる」ってなお膳立てのもと、わざと複雑なカメラワークにして楽々とやってるだけだもの。ステディカムがあればあんな画はいくらでも撮れるし、延々と対象に追いすがっている画を長時間、観せられちゃあ、コッチは疲れるだけ。ああいう〝長廻しのための長廻し〟ってのはダメなんだ。

 観ていて疲れる長廻しは失敗なんだよ。
 本当の長廻しは感動はしても疲れはしない。
 長廻しってのは、もっとシンプルで、ストレートで、純粋なものなんだ。


 それに長廻しはすでに オーソン・ウェルズ が 『黒い罠』 (1958)でやってるし、アルフレッド・ヒッチコック ロバート・アルトマンアンドレイ・タルコフスキー なんかもやってる。ウェルズ以下の方々はクソじゃないけど、イニャリトウは〝クソ〟だね。

 あんな事いつまでもやってるヤツは嫌いだよ、阿呆だよ・・・いつになくキツイ言葉で言わせてもらうけれども、ご容赦を。実はこの〝クソ〟は溝口監督得意の言い様なのです。

 阿呆と言えば、溝口監督も鬼監督と呼ばれ、時には〝エンマ〟(地獄のエンマさま、エンマ大王ね)とすら呼ばれた厳しくて恐い人だけど、時々そんな大監督とは思われぬ大失態や勘違いを次々とやらかす〝阿呆〟なのである。それも、これ以上ないってくらい大騒ぎ(バカ騒ぎ)してやらかすのだ。例えば--

「こんな電柱いらねえ!」と言って自分で何本も切り倒したり、
 高級な壺を持ってこいと言っておいて、そこらで売ってる二束三文の民芸品を持っていったら
「コレです、これが国宝の壺というものです!」
  などと大袈裟に感動する(?)。


 映画の現場でもそうだが、私生活でもそう。

 愛人に背中を切られて警察沙汰になったり、
 ヤクザのヒモがついてるダンサーと恋に落ちて恐い親分に睨まれて右往左往したり…。
 女郎屋通いが好きで止められず、時には酔っ払って事に及ぼうとし、女にゲロを吐きかけてそのままナニもしないで寝ちゃったり・・・。


 いったいこの人って何なんだろう、とは前々から思っていた。映画史に名を残こす大監督でありながら、何故この人は(良く言えば)こんなに〝 喜怒哀楽が激しい 〟のか?

             悪く言えば、どうしてこんなに〝 阿呆 〟なのか?


               溝口健二
               ▲ 溝口健二監督〔 1898 - 1956 〕

 昔から心に巣くっていた疑問をじっくりと調べて整理したのが、私ジャズ野郎こと映画ライター・高村英次、初の書き下ろしになる 『 ラストシーンの余韻 』 であります。本来ならこのブログ「映画の災難」に、以前連載した 黒澤明野村芳亭 島津保次郎清水宏 のように記事(監督列伝)としてアップデートするのが妥当なところですが、今回、コレを電子書籍で出すことに相成りました。

 電子書籍は読むのにお金が掛かります。ご利用の方はご存じかと思いますが、読むためにはウェブ上で電子書籍(紙の書籍ではない、書籍データ)を購入しなければなりません。またそれを読むリーダー(閲覧専用アプリ、ソフト。コレは無料のがあります)をPCなりスマホなりにダウンロードしなければならない(アマゾンならKindle、楽天ならKobo Glo やKobo Auraといった閲覧専用端末もありますが、これらはもちろん有料)。
 また私の本は楽天koboから販売しますので、その系列の 「楽天ブックス」 で電子書籍を買うためにはまず楽天の会員にならないといけない(会員登録は無料です)。

              ★楽天会員登録サイト https://grp01.id.rakuten.co.jp/rms/nid/registfwd

★楽天ブックス(楽天Kobo電子書籍ストア) http://books.rakuten.co.jp/event/e-book/sp-new/


 つまりこのブログのように、アクセスして無料でパッと閲覧できるという代物ではないので、読んでくださいとお願いするのは心苦しい限りです。

 ただ、「それでも読みたい、読んでみたい」という方にはリンクを張りましたのでそこから飛んでいただき、手続きを経て入手していただけたら幸いです( ココから飛べます 「ラストシーンの余韻」 )。


 ひと言、言い添えるなら、私の『ラストシーの余韻』を読んでも「イニャリトウ監督の長廻しと溝口監督の長廻しの違い」なんて事は判りません。そうした映画に関するインテリジェンスで専門的(テクニカル)かつ観念的な事を記した、いわゆる「映画の本」ではないのです。溝口監督をめぐるさまざまな巷説と伝説、話題とゴシップを今まで語られてきたものとは違うアングルから眺めた <人間ドラマ> として綴ってみたものです。最後の章、第9章まで読んでいただければ、私の狙ったところが判ってもらえると思います。

 小難しい映画の評論、作家論の類ではありません(そんなものは書けませんから、私は)。

 よろしければ一読してください。楽天ブックス(電子書籍)のサイトにいくと、表紙紹介文本文サンプルが読めますので、それを見ていただくだけでも嬉しいです。よろしくお願いします。





***************************************

★ 『 レヴェナント 蘇えりし者 』 讃 ★
 上の文中でイニャリトウ監督をクソミソに言ったから、その罪ほろぼしではないけれど、今回オスカーにノミネートされているレオナルド・ディカプリオ主演の『レヴェナント』は買いますね。イニャリトウ監督の、あのしつっこい長廻しの演出スタイルというかカメラワークが初めて<正統に>活かされたんじゃないかな。
 息子を殺されたディカプリオが復讐の鬼となってその仇を追跡する。雪の山間部を彷徨するディカプリオの姿<闘争>を、延々と長~~~いワンカットの映像を基調にして捉えたカメラワークがものすごい。『バードマン』みたいに小回りの利くセット(スタジオ)や融通の利く都会の劇場内で撮ってるのとはワケが違う。言うことを利いてくれない、人智の及ばない、原始的な大自然の中で猛吹雪や豪雨、雪崩や大河の囂々たる猛威を映し出すだけでも大変なのに、そこに俳優を入れ込んで延々と芝居をさせている。さらに驚異なのは、これまた一切人間の言うことを利いてくれない動物たち--バッファローや馬、オオカミもいたっけか--も入り込ませるという、気の遠くなるようなシンドい撮影に挑んでいる。しかしその甲斐あって、ロケーション撮影では見事にパノラミックで力強い映像詩を作り出した( 撮影は エマニエル・ルベツキ )。
 人も、木も、血も、涙も、すべてが凍り付くような酷寒の中に展開される壮麗で荒涼なる風景と、人間たちの欲望と禊ぎと贖罪のドラマは、〝冬の光〟のような厳粛さで観る者を射貫く・・・そういう意味では、溝口映画に近い、と言えるかもしれません。
               レヴェナント

■ 『 レヴェナント 蘇えりし者 』            (C)2016 Twentieth Century Fox
      監督 : アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトウ
           出演 : レオナルド・ディカプリオ、トム・ハーディ
                4月22日より全国ロードショー 配給:20世紀フォックス映画 ■



< 『祇園の姉妹』や『浪華悲歌』で日本映画にリアリズムを打ち立て、
  『西鶴一代女』、『雨月物語』などの名作を世に放った巨匠・溝口健二の人生を、
  伊藤大輔・小津安二郎・黒澤明などのライバル監督&スタッフとの確執とともに描いた
             『 ラストシーンの余韻 』 〔電子書籍版〕、
                               アマゾンkindleストアから発売中! >





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> 「ラストシーンの余韻」・・・すっごく読みたいのですが、「楽天」と接点の無い生活をしているため、悔しいですが諦めます。仮に、Kindle電子書籍で発売されていたら1分以内に購入するし、ブログ過去記事(監督列伝)もKindle電子書籍化されれば1分以内に購入しますYo
>コメントありがとうございます。kindleでも出したいのは山々ですが、いろいろありまして。私も今回電子書籍で出すまで「楽天」さんとは疎遠だったのですが、利用してみると結構よいです。出来ましたら「楽天ブックス」をご利用いただけませんか? その売り上げ次第で、ブログにアップした既記事--野村芳亭、島津保次郎、清水宏、そして黒澤明の「トラトラトラ」から「影武者」までの黒歴史(原稿加筆の書き下ろし)も続刊する予定です。

「ラストシーンの余韻」・・・すっごく読みたいのですが、「楽天」と接点の無い生活をしているため、悔しいですが諦めます。仮に、Kindle電子書籍で発売されていたら1分以内に購入するし、ブログ過去記事(監督列伝)もKindle電子書籍化されれば1分以内に購入しますYo

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映画ライター・高村英次、初の書き下ろし長編 『 ラストシーンの余韻 酒乱と失態、女難と頑迷、監督・溝口健二の狂おしき人生 』

高村英次

Author:高村英次
電子書籍版はアマゾン Kindleストア 及び 楽天ブックスから、紙の書籍版は製本直送.comより発売。直近の各コラムの末尾にある発売告知から販売サイトに遷移、またはポップアップ画面が出ますので、そこで購入できます。 

< プロフィール >
血液型:A型
趣味:サイクリング&ウォーキング&クッキング、デジカメでの写真・動画撮影
好きな場所:札幌ドーム、中島公園、中央図書館、豊平川
好物:コーヒー、ジンギスカン、スープカレー、ラーメン、「ロイズ」のソフトクリーム、「シャトレーゼ」のアイスバー・ピュルテ(塩キャラメル味)、びっくりドンキー、はま寿司、セイコーマート

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