シルバータイムの昼ドラマ 『やすらぎの郷』

● うーん・・・ちょっと期待しちゃう。

 観てますか、『やすらぎの郷』
 告知CMの時から気になっていて、今日で4話が終了したけれど、とてもステキな何かが始まるような気がする。
 女優の妻(風吹ジュン)に先立たれた老脚本家(石坂浩二)が、テレビに功労のあった俳優やTVマンだけが入れる老人ホームに誘われる。そこには、かつて銀幕ならぬブラウン管を彩った大スターや名脇役たちが一堂に介していた・・・というプロットを知るとダニエル・シュミット『トスカの接吻』パオロ・ソレンティーノ『グランド・フィナーレ』を想起しちゃうのは、映画ライターの悪い癖だが、それでも出てくるキャストの豪華さに、そして

    ♪ 愛より急ぐものが どこにあったのだろう・・・ ♪ 

 で始まる中島みゆきの主題歌「慕情」が流れる感動的なタイトルバックに、胸が締め付けられる。

 昨日の第3話には岩本多代が出た。嬉しいな。昔から綺麗で、控えめな、大好きな女優さんなんだ。これからどんな人達が登場するんだろう。

 4話分見逃してても、今ならテレ朝のHP、「テレ朝キャッチアップ」で無料で観れるから、興味のある人は是非!
 http://www.tv-asahi.co.jp/douga/yasuraginosato_cu/1087?official=1

やすらぎの郷


                   **********

 『祇園の姉妹』や『浪華悲歌』で日本映画にリアリズムを打ち立て、『西鶴一代女』『雨月物語』などの名作を放った溝口健二の人生を、伊藤大輔・小津安二郎・黒澤明などのライバル監督&スタッフとの確執とともに描いた、
『 ラストシーンの余韻 』、紙の書籍で発売中!

ラスト表紙200  著者(発行者)・高村英次 価格2100円(税、送料とも込み)

 

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往年の大スターが顔を揃える昼ドラマ 『やすらぎの郷』(2)

◆ 倉田保昭が出た!

 今日の第4回、出演者の名前を見て「オッ」と思ったね。

               倉田保昭 が出るって! 

 倉田保昭ったって、今の若い人達は知らんだろうが、ブルース・リー『燃えよドラゴン』(1973・米、ロバート・クローズ監督)が火を付けたカンフーブームは、続々と同種のカンフーアクションを生み出して怒濤の大量大公開。それが1970年代中期で、日本国中、アチャー、アチャー! で大変な騒ぎだった。小学生だった私もヌンチャク片手に、負けじと「アチャー、アチャー」と快鳥音を発していたもの(ヌンチャクは手作りの自前!)。

 1960年代後半から落ち目で、ヤクザ映画とポルノしか取り柄がなかった当時の日本の映画会社は当然これに飛びついて・・・といっても、それをやるのはいつも〝機を見るに敏な〟東映さんなんだけど、ブームに乗り遅れてなるものかとアクションスター・千葉真一を主演にたてて同種の格闘技映画を製作(この時代、パニック映画とオカルト映画のブームが到来して、1970代はドエライ事になる!)。

 で、その頃、我ら小学生を熱狂させてた和製ドラゴン(和製ブルース・リー)が倉田保昭なんだ。

 こんな話、今、アラフィフの中年(いやもう壮年か)オヤジはみんな知ってることで、『闘え!ドラゴン』の倉田保昭、風間健(東映の〝やくざ刑事〟シリーズに『激突!殺人拳』、ユニバーサルの『ドラゴンを消せ!』)、『片腕ドラゴン』のジミー・ウォングって名前がすらすら出てくると、「アンタ、生まれは昭和30年代の後半から40年代だね」ってことになる。

 とにかく、倉田さんが出るっていうんで緊張して観ていたが・・・最後まで観ても、アレ、どこに出てた? と確認できなかった。だからもう一度観てみた。するとなんとジムで身体を動かしているツーショットの一人(隣の一人は伊吹吾郎、こちらはすぐ判った)が、倉田さんだった。引きの画で一瞬だったから気付かなかったゼ。でも出てた、嬉しかった。

 高級養老院「やすらぎの郷」の施設を初めて訪れた脚本家の菊村(石坂浩二)に、施設の説明をする責任者が名高達郎で、これは記憶で書くのだが、この人が俳優デビューしたての頃、「加山雄三と高橋英樹を足して二で割ったようなハンサムだ」(※)と言って褒めたのが、この第4回にも登場する共演者の浅丘ルリ子じゃなかったか、と思うのだが・・・だとしたらその作品は斎藤耕一監督のスリラー『渚の白い家』(1978・松竹)って事になるが・・・この映画、予告篇があまりにも不気味だったので観るのを回避した。今もって観ていない。

 それはともかく、第4回のラストに、ついに往年の大女優達が姿を見せる。ここのところは告知CMで何度も流れていたのでそれほど驚かなかったが、その映像を観ていたら『渚の白い家』と同じ年に製作された、名匠ビリー・ワイルダー監督の最後の傑作『悲愁』(1978・米。原題:FEDORA)が脳裏をよぎった。この名作もロードショー時に見逃している。当時、この映画を淀川長治さんや双葉十三郎さんが激賞してたから、私は前売り券を買った。なのになぜ見逃したのか?  いや、劇場に観に行ったことは行ったのだが、すでに昨日で公開が終わっていたのだった! あまりにも客が入らなかったので、最終日を待たずして打ち切って違う映画をかけていたのである! 札幌じゃこういう事、まま、あるのだ(と言っても、この作品しかその記憶はないが)。
 ポスターが貼り替わった映画館の前で、『悲愁』の前売り券を握りしめながら呆然と立ちすくんだ事を、昨日の事のように思い出す。

 で、それから20数年後、ビデオでようやくこの映画を観ることが出来た。もう、震えましたね、感動して! 一世を風靡したハリウッドの大女優フェドラ(またはフェドーラ)が晩年、ひっそりと隠棲している終の棲家に、昔一緒に仕事したウィリアム・ホールデンが訪ねていく。確か、フェドラそっくりの女優(実は彼女の娘)だったかがデビューしてその真偽を探るって、ストーリーじゃなかったかな。で、まるで神殿みたいなフェドラの邸宅に行くんじゃなかったかな、と記憶しているが、まあ、これから先はナイショにしておきましょう。

 観終わった時、思ったのは、

              伝説は守り続けられねばならない

 という重~いテーマというかメッセージ。それが芸界の、エンターテイメントの、偉大な俳優&芸人をリスペクトするための掟、十字架としてドーンと観客の心に突き刺さってくるラストが忘れられない。

 『やすらぎの郷』もそうなればいいな、と密かに思っているのだが。

加山雄三と高橋英樹、ではなく、加山雄三と渡哲也だったかな、いや加山雄三と石坂浩二だったかも・・・とにかく片方は加山さんだったのは記憶しているが、もう一人は定かではない。当時の二枚目男性スターの名前だったのは確か。でもそれを言ったのは浅丘ルリ子だったかな、違う女優さんかも(何分、30年以上前の事で・・・許してタモレ)

               ********************

 『祇園の姉妹』や『浪華悲歌』で日本映画にリアリズムを打ち立て、『西鶴一代女』『雨月物語』などの名作を放った溝口健二の人生を、伊藤大輔・小津安二郎・黒澤明などのライバル監督&スタッフとの確執とともに描いた、
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往年の大スターが顔を揃える昼ドラマ 『やすらぎの郷』(3)

◆ 『グラン・トリノ』か、往年の日活アクションか!

やすらぎの郷
           Copyright© tv asahi All rights reserved.
★公式ホームページ:http://www.tv-asahi.co.jp/yasuraginosato/


 連ドラはまったく観ないのだけれど、4月から放映されているテレビ朝日系の『やすらぎの郷』は1話も欠かさず観ている。先週の金曜日(8月11日)は裏で雨上がり決死隊・宮迫の〝不倫生釈明〟があったから(こんなオモロイもの、見ないわけにはいかない)、生では「バイキング」(フジテレビ)を観て、『やすらぎの郷』はあとで録画で観たのだが、それにしても今週からこんな展開になるとは・・・。

 このドラマの癒やし的存在、養老施設内のバー「カサブランカ」のバーテンダー、〝ハッピー〟ことゆかり(松岡茉優)が地元の暴走族に輪姦され、その仇をとろうと施設内の男性スタッフ達が動く。まず暴行されたハッピーを助けた、彼女に気のある一馬(宮下勇樹)がゾクの働く工場に押しかけ、徹底的にブチのめされて、その姿に男スタッフ(施設の男スタッフ達はみな一時ヤバイ稼業にあった前科者や保護観察中の方々)はいきり立ち、早速、ハッピーと一馬の敵討ちを計画。
 そのことを察知した郷の住人・原田(伊吹吾郎)と那須(倉田保昭)、そして秀さん(=高井秀次、藤竜也)は、男スタッフを説得し、自分たちで落とし前を付けると宣言。勇躍、ゾクのたむろするスナックに乗り込む・・・ってのが第96~99回(8月14~17日)の放送内容。

 このドラマ、中高年の視聴者向けに企画されたシルバータイム・ドラマってことで、お昼のど真ん中、『徹子の部屋』のすぐ後に放送されるってのに、そんな時間帯に〝輪姦〟、レイプなんてもってきちゃっていいのかな、と心配した。描写としては昔のテレビドラマみたいに行為そのものを描いて見せてはいないのだけど、それにしても・・・といらぬ心配をまずはした。
 で、その後、一馬が自分がグレてた頃の仲間、すなわちハッピーを襲ったゾクの勤める工場に乗り込んでケンカするのだが、この件にしても、またヤラレた一馬とハッピーの敵討ちに出ようとする男スタッフにしても、なんというか、昭和の青春映画(ドラマ)的なノリを感じてしまうのです。これには少々、マイリました。

 昔だったらそういくかもしれないが、ネット、SNS、スマホ全盛時代の今(21世紀)ならば腕力でいかなくとも、ITを使ってもっと楽にゾクを追い込めることができるハズ。でもそうした簡便でスマートなITとは縁のない秀さん達にとって、落とし前を付けるとなれば、やることはひとつ(ケンカ)。秀さん曰く、

「今の法律はやわですからね。きっとヤツラもタカくくってンですよ。
 痛めつけてやンなきゃ、判らんですよ、アイツラ」


と言って腕力に打って出る。そして、ゾクをたたきつぶすのは老人の、すなわち老い先短い自分たちの仕事だ、とばかりに高井秀次以下3名は若くて凶暴なゾクの根城に突入し、大立ち回りを見せる。

 これはまるで『グラン・トリノ』(平成20=2008年)でクリント・イーストウッドが演ったウォルト・コワルスキーだ。自分より若い者のために身体を張って悪に立ち向かう、という犠牲的精神、誇り高き老いぼれの〝男の美学〟

 とはいえ、『グラン・トリノ』のイーストウッドは腕力や武器を使って悪とは闘わない。ただ撃たれて死ぬだけであったが、やすらぎの3人は闘うんですな。日活アクションの石原裕次郎小林旭、はたまた東映仁侠映画の(高倉)健さんみたいに・・・。


グラン・トリノ
▲ 『グラン・トリノ』(2008・米) 監督・主演:クリント・イーストウッド
ブルーレイ(2D) 2381円(税別) 
販売・発売:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント 
https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=2661/
©2009 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.


 この殴り込みの前に、倉田保昭がケンカ道具の中にあったヌンチャクを手にとって、バサッ、バサッ、バサッと振り回すシーンがあるのだが、懐かしかったねえ。『闘え!ドラゴン』(昭和49=1974年、東京12チャンネル)を思い出したゼ! しかも倉田さん、愚連隊のゾクをぶちのめすときに、脚を真横に挙げての水平キック!!! やー、まだ脚上がるんだなあ(と感心)。 それにこの蹴り方! 『Gメン'75』(昭和50~54=1975~79年、TBS)でなんぼ見たか。

 こうした派手な趣向も面白いのだが、例えばテレビドラマでセット美術を手がけたベテラン美術マン・ちのやん(=茅野大三郎、伊藤初雄)とその妻のカメコ(=茅野順子、長内美那子)が日をまたいで共に息を引き取る挿話(第71~73回)も印象的だった。末期ガンで病床に伏していたカメコが亡くなる第72回の次の73と74回の「やすらぎの郷」のタイトルだけが、雨のそぼふる青に染まった悲しい色調にしてあって、その細やかな心配りに感銘を受けた(このタイトル、8月7日の第91回よりイラストが夏の草原から秋の草原に変わっている)。
 それに長内美那子さん! 私がガキの時に、淪落の恋に身を焦がす昼メロのヒロインとか時代劇に出てくる綺麗な町娘、武家の御妻女なんて役をなさっていて、憧れたもの。病床で亡くなる間際の役だから、囁くというか呻くような感じで台詞はほぼなかったが、その容姿は綺麗にお老けになったというか、若い時分のしとやかな美しさを備えていて嬉しかったし、若い頃の容貌が遺影の中にチラッとのぞいて、感動した。

 放送は9月末までだから、あと1ヶ月。一体、これからどんな事件が起こるのかな。


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『 ラストシーンの余韻 』 発売中!
映画ライター・高村英次、初の書き下ろし長編 『 ラストシーンの余韻 酒乱と失態、女難と頑迷、監督・溝口健二の狂おしき人生 』

高村英次

Author:高村英次
電子書籍版はアマゾン Kindleストア 及び 楽天ブックスから、紙の書籍版は製本直送.comより発売。直近の各コラムの末尾にある発売告知から販売サイトに遷移、またはポップアップ画面が出ますので、そこで購入できます。 

< プロフィール >
血液型:A型
趣味:サイクリング&ウォーキング&クッキング、デジカメでの写真・動画撮影
好きな場所:札幌ドーム、中島公園、中央図書館、豊平川
好物:コーヒー、ジンギスカン、スープカレー、ラーメン、「ロイズ」のソフトクリーム、「シャトレーゼ」のアイスバー・ピュルテ(塩キャラメル味)、びっくりドンキー、はま寿司、セイコーマート

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