人生で一番長~~く居たい場所 <その12>

◆ 江古田にいっぱいあった古本屋さん

 その2月15日放送の 『メレンゲの気持ち』 (NTV)で、石ちゃんがカメラの吉田君と食べ歩いていた店は、ほとんど知らないオシャレな店ばかりだった。オシャレな店なんか、当時の江古田になかったもん。


Sad Cafe
「Sad Cafe」・・・日芸通学中は、その名さえ知らなかった。
  だから入店経験もなし・・・。写真はウェブサイト「江古田日和」さん
  http://www.ekodabiyori.com からお借りしました。多謝。
  Copyright © 江古田日和(えこだびより).


 大学を出て数年経った頃、あるところで知り合った武蔵大学卒のお姐さんにジャズ野郎は、

Sad Cafeって行ったことある? あそこオシャレよね。 でもアンタには似合わないわ

 と屈辱的な言辞を吐かれたけれども、そこで初めて
「そんな店、江古田にあったんだ・・・」
 と思い知るような、オシャレなスポットにはことごとく無縁な男でしたから(今もですけど)。

ウェブの情報だと、「Sad Cafe」の店名は イーグルズ の6枚目のアルバム 『ロング・ラン』 のエンド・チューン 「サッド・カフェ(The Sad Cafe)」 からきているとか。店には入ったことないけど、それくらいはジャズ野郎にも判りやす。

 それはそうと、石ちゃんが食べ歩いていた、見慣れない江古田の店は、きっとジャズめが卒業してから後に出来た店なんでしょうね。でも、紹介こそされなかったが、時々、端々に馴染みのお店が映りこんでて、「あー、まだあるんだなぁ」なんて思って懐かしかった。

イーグルス デジタル・リマスター・シリーズ「サッドカフェ」
▲ 「The Sad Cafe」は本文に書いたように『ロング・ラン』に収録されていますが、
  ジャズめが持ってる音源は、音楽ライターの友人から貰ったマスコミ用サンプル
  CD。その「イーグルス デジタル・リマスター・シリーズ」の最終曲が
  「サッド・カフェ」。


 で、また1980年代の話に戻りますが--

 当時、とにかくこの駅の周辺には古本屋が多くあって、映画の古本を買ったり、古いシナリオ集、評論集なんかをよく立ち読みしたもので、そんなんで2時間でも3時間でも時間が潰せた。

 なんせ金(小遣い)がないもんだから、本が欲しくてもそうは買えない。

 当時、よく買ったのは、店頭に放り出されて山のように積まれていた、10円とか30円、50円、100円の文庫本の類。
 O ・ヘンリー(短編集)とか コレット(青い麦) チェーホフ とか。
 チェーホフっつったら 『かもめ』 でしょう。もちろん4大悲劇の 『桜の園』 『ワーニャ伯父さん』 『三人姉妹』 もいいけれど、やっぱ映画・演劇をやる人(創作をやる輩)は 『かもめ』 だよね。
 『かもめ』の中に出てくる作家志望の青年(トレープレフ)--彼は、自分や自分の周囲に起こる、何を見ても、また体験するどんな事件も騒動も客観視してしまう上に、身内の死さえもネタにできないか・・・と常に作品に使う題材を渉猟し続ける。その事に、苦悶し、孤独の淵にたたずんで、結局、 自殺 してしまう〔数十年前に読んだから、細部はうろ覚えで、おぼつかなくはありますが、確かこんな感じだったんじゃないか、と〕。

 ああ、そうか、物語を創作(つく)るモノ書きってのは、死ぬしかないんだなぁ・・・てな究極的な事を思い知らされて、絶句した覚えがあります。
 「作家、絵描き、デザイナー、そして(当時ジャズめが目指していた)映画監督やシナリオライターなんかもそうなんだろーなぁ」なんてね。
 ・・・懐かしいですねぇ。

O・ヘンリー/かもめ/貧しき人々
▲ 当時、読んでた古本=「O・ヘンリー短編集(一)」(大学時代に買った本を
  未だに持ってる。捨てらんなくて・・・アッ、本の中に名画座・池袋文芸坐
   「ぶんげいしねうぃーくりぃ」 (左上)が入ってた!  このミニ・パンフのコ
  ラムを読むのが愉しみだったんだ) / 「かもめ・ワーニャ伯父さん」 /
  「貧しき人々」(黒澤明監督が〝ドスちゃん〟と呼んだドストエフスキー)
   O・ヘンリー短編集については、来週、「人生で一番長~~く居たい場所」
   の番外編でちょっと語ります。


 で、O・ヘンリーとかこういうのをジャズめは、読みたかったわけではなかったけれど、 「城戸賞」 ってシナリオ賞(コンクール)にその名が残る、かつての松竹会長・ 城戸四郎 が言ったみたいに、
「映画監督になりたいのなら、シナリオを書けなきゃダメだ!」
てな事をまず教えるからね、日芸では。
 日芸ならずとも、映像関係の学校ではどこでもそうなんだろうけどサ。       〔続く〕


< 『祇園の姉妹』や『浪華悲歌』で日本映画にリアリズムを打ち立て、
  『西鶴一代女』『雨月物語』などの名作を放った溝口健二の人生を、
  伊藤大輔・小津安二郎・黒澤明などのライバル監督&スタッフとの
  確執とともに描いた、
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人生で一番長~~く居たい場所 <その13>

◆ 古本(ほん)を読まなきゃ台本(ホン)は書けない?!

スタインベック短編集/ガラスの動物園・・・
▲ 当時読んでた古本= 「スタインベック短編集」(『エデンの東』のJ・スタインベック) /
  「ガラスの動物園」(言わずと知れたテネシー・ウィリアムズ) / 「ゲイルズバーグの春を
  愛す」
(ジャック・フィニイ。この短編集に入ってる 「愛の手紙」 は、リチャード・マシスンの
  『ある日どこかで』に似た、時空を超えたセンチメンタル・ロマンス。因みにヤノー・シュウ
  ォーク監督による映画『ある日どこかで』 〔1980年・米〕 はジャズめのフェイボリット・
  シネマ)


 ・・・なもんだから「シナリオを書く気なら、まず本を読め」ってわけで、本っていうのはやっぱり古典から読むもんだろーと。

 古典ってことなら、岩波文庫、新潮文庫、文春文庫あたりになって、こうした文庫の古い本っては、一等、安い。それでそういうのを買っては読んでいた・・・でも、映画ほど面白いとかタメになったなんてことは・・・そんなに・・・ない(ような気がする)。
 それで本の面白さを知った、とか、読書の愉しみを覚えた、なんて事も・・・あんまり・・・ない(面白い、と思った本もあったけど)。

 だって映画は目で見て楽しいから好きで夢中になったんで、本、つまり活字が好きでこの世界に入ろうと思ったわけじゃない。
 だからジャズ野郎は、読書好き、ってわけじゃないんです。

 ところが、そんなボンクラが曲がりなりにも「文章を書く仕事」をしている。
 こんな皮肉な事ってないですな。

 小・中学校の時も、作文書いて誉められたことはあったけど、まさかそれを仕事にするなんて考えてもいなかった・・・ま、仕事になってない、って話もありますが(笑)。


                           世界の映画作家3 黒澤明/シナリオ集
             ▲ 当時読んでた古本= 「世界の映画作家3 黒澤明」 (大学時代、どこに行
              く時も持ち歩いてた) / 各年代の 「年鑑代表シナリオ集」 。「-1965年
              版」には黒澤作品『赤ひげ』や山本薩夫の傑作 『にっぽん泥棒物語』 と
               『証人の椅子』 、内田吐夢入魂の 『飢餓海峡』、静かなる撤退作戦を描
              いた戦争映画の秀作 『太平洋奇跡の作戦 キスカ』 などを収録。当時は
              レンタルビデオの出始め、当然デッキは持っておらず、名画座以外で往
              年の名作に触れるにはシナリオを読むしかなかった・・・。


 映画は画(映像)で物語るものだけど、それを作る(=撮る)ためには、事前にナニをどう撮るか、または、どういうストーリーを撮るのか、って事を「書かなきゃならない」なんて事、今なら子供でも分かる事ですが、迂闊にもジャズめはそれに気付いてなかった。

 高校時代、淀川(長治)さんのラジオ(『淀川長治 ラジオ名画劇場』 ※ )を毎週聴いていて、

「アンタね、監督になりたかったらね、大学ぐらいは出てないとダメですよ。
 そしてね、アナタね、脚本ぐらいは書けないといけませんね」

 ってな事を、ことある毎に淀川さんがおっしゃっていたにもかかわらず、である。
 「オメデタい奴っちゃナー」と思われると思いますが、まあ、そんなもんなんですよ。映画好きなんてのは。   〔続く〕

※2013年3月20日付【Coffee Break-淀川さんの『ラジオ名画劇場』!】参照のこと。


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人生で一番長~~く居たい場所 <その14>

◆ 古本屋をハシゴする < みちくさ > の愉しみ

 喫茶店について語るハズがとんだ方向にいっちゃいましたが、とにかく1980年代当時の江古田には古本屋さんがいっぱいあった。

 やがてジャズめはそこにも飽きて、西武沿線を所沢方面に向かって「練馬」「中村橋」「石神井公園」「大泉学園」・・・と歩いては、その駅周辺や線路際にあった古本屋さんを〝冷やかし〟ました(〝石神井〟=しゃくじい、って読めます? 上京した当初、西武池袋線の駅名では、この石神井と〝小手指〟=こてさし、が読めなくて・・・コテユビって言ってた)。

         〝冷やかす〟のが好きなんですよね。

 で、就職して(束の間の宮仕え、でしたが・・・)、住処(アパート)が変わったんで、池袋から小竹向原までの有楽町線コースが〝冷やかし〟のコースとなり、池袋から要町までの間にもいくつか古本屋さんがあった(あそこには立教大学がありますから)。
 それに当時(1980年代後半)はまだレンタルビデオの全盛期で、レンビデ屋も随分とあった。

                       リック・アストレー・アルバム
      ▲ みちくさコースの途中にあったディスカウント・ショップで買ったリック・アストリー
        『 Whenever You Need Somebody 』のLPアルバム。当時、ステレオもCDプレ
         ーヤーも持ってなかったが、いつかコンポを買った時のために、と購入 ・・・
         で、そのLPレコード、売らずに持ってたつもりでいたが、何故か・・・紛失。
         コレは同じアルバムのCD。収録の 「Together Forever」 が今に至るもお気に
         入り。


 大卒後、私事いろいろあって、銀座にある某社でバイトすることになり、下車する駅は新富町駅。だから「和光市」~「池袋」~「有楽町」経由の有楽町線で通うことになり、帰りには時折、途中の池袋で降りて、下(地下)を有楽町線が走る国道441号線をテクテクとブラつきながら、我がアパートにたどり着くという道程。
 我が家はその441号線がちょうど環七にぶつかる辺りにあって、歩けば小一時間くらい。
 だから、歩くとちょうどいい運動にはなるし、途中にはディスカウント・ショップや安価なスーパーもあって、いろいろ食材を買ったり、生活用品、例えばトイレット・ペーパーなんか買ったりして、それを片手にぶら下げながら帰ってくる。


         このド貧乏を極めた散歩、みちくさ、が楽しかったんだ
                なんで、あんなに楽しかったんかなぁ・・・。


貧困旅行記
▲ この頃読んでたわけじゃなく、ず~と後に読んだ
  つげ義春 『貧困旅行記』 。この本の気分が当時の
  みちくさの気分ですかね。この本好きです。


 この頃、441号線周辺の舗道がキレイに修繕されて、ちょっとした遊歩道みたいになっていたのが壮観だったし、植えられたばかりの街路樹が新鮮で、東京の中だってのに木々が多くて、緑のなかを歩いてる感覚があって、それが妙にリッチな気分にさせてくれた、って事もある。

       街路樹でも公園の木でも、街ん中に〝緑〟があるっていいですよね。
       開放的な気分になって、気持ちにもゆとりがうまれる。

 実生活的にはメチャメチャで、仕事(バイト)もキツくて、おまけに変なトラブルも背負い込んで、とても余裕はなかったけれど、あの池袋から環七までの舗道を歩いてると、いつも気が紛れた。

 最初に紹介したサ店も、この舗道も、クサクサした気分を紛れさせてくれる、心のオアシスだったのかもしれません。       〔続く〕


< 『祇園の姉妹』や『浪華悲歌』で日本映画にリアリズムを打ち立て、
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人生で一番長~~く居たい場所 < 最終回 >

◆ 夏草香る農園でソフトクリームを・・・

 今、ジャズ野郎の周辺でそういうオアシス的な場所は、農業専門学校 「八紘学園」 の農道 です。道の両側にポプラ並木がズラッと並んでいて、春は爽やかで夏は涼やか、秋になれば手袋大の枯葉が周囲に散乱する・・・この農道は癒されますな。
 農道っていっても、ここは札幌の市街地・住宅地です。郊外の原生林(原始林)的な場所じゃない、場所じゃないけれど、こうした原生林が町中にポコッとあったりするのが、札幌のいいところ。

                            八紘学園のポプラ並木
                  ▲ 新緑がまぶしい八紘学園のポプラ並木(2014年6月撮影)


 八紘学園の農場では、夏には トウモロコシ が並木の左右にある広い畑に植えられて、夏前には膝下の丈しかなかったトウモロコシが、2、3週間後に立ち寄ると、もう向こう側が見えないほどの高さに生育しちゃってる! この成長ぶり、繁殖力というか、生命力には驚かされます。

 まさに『フィールド・オブ・ドリームス』並みのアメージング! 

 あの映画で、トウモロコシ畑を切り開いて野球場を作りますけど、外野の向こうには青々したトウモロコシが植わっている。あんな高さに、八紘学園のトウモロコシもすぐになっていくんです。

 毎年のことですが、それは見ていて、とても楽しい。やけに嬉しい。

八紘学園農産物即売所 プレート1
▲ 八紘学園の直売所とプレート。サイロの建物がいかにも北海道てな感じ。
このすぐ近くに、よくCMに使われるサイロが二つ並んだ、Wサイロがありま
す。隠れた名所・・・。


 八紘学園にはサ店こそないけれど、学園で収穫した野菜の即売場ってのがあって、そこの名物は ソフトクリーム 。ここを訪れるほとんどの人が、野菜や肉製品(学園で生徒さんが作ったり、札幌近郊の農家さんが作ったハムや精肉)、そして美味い特濃ミルクを買ったついでに、このソフトを舐める! 
 200円前後のほど良い値段で、味はアッサリしてて濃厚で(形容矛盾してますが)、おいしい。

 ソフト片手に、ベンチや芝生(というか、その辺に生えてる絨毯みたいな雑草)に座って、ポケーッとしながら憩う、時間の停ったようなひとときがいい。

 サ店ではないけれど、サ店にいるみたいなリラックスしたムードにひたれて、ずっとここに居たいなぁ、と思わせてくれる。


  ジャズ野郎の、人生で一番長~~く居たい場所は、今のところココあたりです。    〔完〕


ソフトクリーム
▲ 八紘学園直売所のソフトクリーム。後ろピンになってソフトクリームがボケてる。
  おまけに、ドッチ向いて撮っても何故か映り込んでくる、どっかの少年 ・・・
  のどかな、幸せな昼下がり。


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映画ライター・高村英次、初の書き下ろし長編 『 ラストシーンの余韻 酒乱と失態、女難と頑迷、監督・溝口健二の狂おしき人生 』

高村英次

Author:高村英次
電子書籍版はアマゾン Kindleストア 及び 楽天ブックスから、紙の書籍版は製本直送.comより発売。直近の各コラムの末尾にある発売告知から販売サイトに遷移、またはポップアップ画面が出ますので、そこで購入できます。 

< プロフィール >
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趣味:サイクリング&ウォーキング&クッキング、デジカメでの写真・動画撮影
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