新作プレビュー  『 エクスペンダブルズ3 ワールドミッション 』  < 後篇 >

◆ アクション映画だと思うな、今回は〝戦争〟だ!

 キャストの話はこのくらいにして、短めにストーリーをば。

[ 例によって危険地帯での破壊行為や誘拐された要人の奪還などヤバいミッションを請け負って、世界各地を駆けめぐる、バーニー(シルヴェスター・スタローン)率いるエクスペ軍団。そこへ、CIAのお偉方ドラマー(ハリソン・フォード)からまたも来ましたヤバい仕事。某国で暗黒社会を仕切っているストーンバンクス(メル・ギブソン)を生きたまま捕獲せよ、とのミッションだ。
 だが、バーニーは震撼する。なぜならストーンバンクスはもともとエクスペ軍団で共に闘った仲間であり、その後、敵に寝返ったため、バーニー自身が始末した男だった。つまりエクスペ軍団の手の内をすべて知り尽くした、最強の敵とバーニー達は戦うことになる・・・ ]


 この、敵にまわったかつての味方=エクスペ軍団のOBと戦う、という趣向に加え、バーニーが今回のミッションがあまりに危険だから、仲間のクリスマス(ジェイソン・ステイタム)やヤンセン(ドルフ・ラングレン)らを巻き込みたくなくて、つまり〝死なせたくない〟ので、若手のヤンチャな新顔を集めて適地に乗り込む、といった気の利いたサイド・ストーリーが効いていて、そこにケルシー・グラマーなんかが出て来てコミカルないいムードを醸し出す。
 また<前篇>の最後で、〝ムクつけき男どもばっかで・・・〟などと書いたけれど、今回、エクスペ軍団にはルナ(ロンダ・ラウジー)という紅一点が参加して、女も大活躍! ・・・安部首相がとなえる〝女性が輝く社会〟政策をすでに実行しているようです(?)。

                       バンデラス
     ▲ 元スペイン軍兵士のガルゴ(A・バンデラス)。失笑なイメチェン演技が、笑わしよる。
      (C)EX3 Productions, Inc. All Rights Reserved.


 そのルナを口説く、新参メンバーとして出て来るのが、あのセクシー男優、アントニオ・バンデラスなのだが、これがまた曲者キャラで、終始喋りまくり、おどけまくる、というアブナ~イ奴。まるで 「 あばれる君 」 並みにウザいタイプで、観ていると「 くり~むしちゅー 」の番組 (『ミラクル9 』 や 『びっくり~む』 、共にテレビ朝日系)に出て来る 具志堅用高 に思えちゃうのだが、その彼がどうしてそんなお喋り野郎になったか、についての説明もあったりして、今回はシナリオの細部によく手が入っている。
 そこに感心した!
(おまけに『ダイハード』でヘリに乗って奇声を上げる好戦的なFBIを演じた、アバタ面の ロバート・ダビ なんて人も出てくる。ホンマ、ええキャスティングや~)。

 しかも今回はアクション・シーンがメッチャ凄い。オープニングの列車アクションだけでも、B級映画ならば優に〝客を呼べるクライマックス〟になるものを、冒頭、それもタイトルの前にチャッチャと出して、最後は廃墟のような巨大ホテルかなんかの施設を使っての、大々的な攻防戦を展開。
 大げさに言えば、砲撃しまくるタンクの戦闘シーンが圧巻の 『バルジ大作戦』 (1965年・米) か 『ヨーロッパの解放』 (1970~71年・ソ連、全3部)のよう。
 いや、コレは大げさな表現じゃない、最後のアクション場面は冗談抜きに、まさに〝戦争〟です。

 だから今回はアクション映画ではなく、戦争映画 だと思っていただきたい。

 エクスペ軍団が四方八方からホテル(敵のアジト)に潜入すると、その地域に敵の戦車が進入してきて、ホテルのエクスペ隊員に向かって ドーン! ドーン! と砲弾をブチ込んだり、敵の戦闘員と戦う、という一連のアクション・シーンの 「編集」が巧みで素晴らしい!!! どこから敵が来て、それをスタローンが倒し、片や別の階ではバンデラスが敵にやられそうな女を庇って活躍し、その一方でジェイソン・ステイタムやドルフ・ラングレンが敵殲滅に動き回る・・・といった各スポットでの目まぐるしい行動と激しいバトルが、見事にまとめ上げられて、スピード感と重量感と迫力満点の一大スペクタクルになっている。

          これはまさにプロの仕業(しごと)。

 今年公開の作品で言えば『エージェント:ライアン』とか『オール・ユー・ニード・イズ・キル』なんかもアクション場面を巧く処理していたけど、この『-3 ワールドミッション』のそれが一番優秀だと思いますね、シビアに見ても。
 期待して下さい、1800円払っただけはありますから。

 それにしてもアヴァン・タイトル(タイトル前の)列車アクション、ド派手だったなあ。


オープニング
▲ オープニングのド派手なトレイン・アクション・・・コレ、列車が突っ込んだあとッス!
(C)EX3 Productions, Inc. All Rights Reserved.

  ※ 『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』公式サイト http://expendables-movie.jp/

■ 11月1日より東京・丸の内ピカデリー、札幌シネマフロンティア、
   ユナイテッドシネマ札幌ほかにて全国ロードショー 配給:ポニーキャニオン&松竹 ■



< 『祇園の姉妹』や『浪華悲歌』で日本映画にリアリズムを打ち立て、
  『西鶴一代女』『雨月物語』などの名作を放った溝口健二の人生を、
  伊藤大輔・小津安二郎・黒澤明などのライバル監督&スタッフとの
  確執とともに描いた、
        『 ラストシーンの余韻 』 〔電子書籍版〕、
                アマゾンkindleストアから発売中! >





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新作プレビュー  『 ザ・ゲスト 』  < 前編 >

◆ アダム・ウィンガード監督はキャメロンやライミになれるか?!


▲ 除隊した中東帰りの元兵士デイヴィッド(D・スティーヴンス)
(C)2013 Adam David Productions 
 
 ときどき「アー、コイツは面白いッ!」って太鼓判を押したくなるタイプではなく、「ああ、コレってなかなか(イイ)」と一人ほくそ笑むタイプの小品ってのがありますが、『ザ・ゲスト』はまさにその捨てがたい小品。

 この作品の監督、アダム・ウィンガードって人、一躍脚光浴びた 『サプライズ』 (2011)てのは未見だけど、なんというのかなあ、ちょっと才長けた新たな才能って感じはします。ジャズ野郎の世代でいうなら、30数年前の中学から高校時分に登場した--

 ジョン・カーペンター とか ジョー・ダンテ とかああいう感じの出方っていうのかなあ・・・作風が同趣向ってわけじゃないんです。こじんまりとした〝低予算のB級ノースター映画〟ながらちょっと見どころがある、というか、チョイとオモロイ事(演出、趣向)をやってる、とか、なかなか憎めいないユニークさを持っている、といったあたりが似てんです。

 このウィガード監督がドーンと次回作で当てて、ジェームズ・キャメロン (キャメロン監督も劇場第1作の1982年作 『殺人魚フライングキラー』 って低予算B級モノの出身。J・カーペンター監督の『ニューヨーク1997』では特殊効果&撮影を担当)や、
サム・ライミ (長篇第1作は1981年の 『死霊のはらわた』 で今やカルト作品。その後 『スパイダーマン』 シリーズ で大儲け!)みたいにバケるか(大ヒットメーカーになれるか)。
 それとも ウォシュウスキー兄弟(姉弟) のように、B級サスペンスの 『バウンド』で高評を得て、次作の 『マトリックス』3部作 でエラく当てて一大ブームを作るまでになったはいいが、以後は尻すぼみの体たらく・・・。『スピードレーサー』で大コケしてミソつけちゃったから、再度メジャー監督の位置に戻るのは難しいと思うけど、果たしてアダム・ウィンガードもそういう末路を辿るのか。そいつは誰にも判らない。

 とにかく今の時点では、面白い監督が出てきたな、とは言えます。


訪問
▲ ピーターソン家を訪ねるデイヴィッド(左)。右はピーターソン夫人・ローラ(シーラ・ケリー)
(C)2013 Adam David Productions 

〔 ザ・ゲスト・・・〝客〟と言うよりザ・ビジター〝訪問者〟って言う方が正しい気もしますが、イギリス出身の新星ダン・スティーヴンスが不気味に演じる、ナゾの青年・デイヴィッドが、中東に従軍してその地で戦死した息子を持つピーターソン一家にやってくる。デイヴィッドが言うには
「自分は戦死した息子さんと同じ部隊にいた者で、彼が戦死した前後の状況を家族の皆さんにお話しするために来ました」
 とのことだが、さあーて、コレって本当か?
 ピーターソン一家は両親と年頃のハイスクーラーの娘アナ(マイカ・モンロー)と中学生の息子ルーク(ブレンダン・マイヤー)という、どこにでもいる4人家族。家族の面々は最初はこのデイヴィッドに警戒心を抱くが、彼が家族のために親身に心配してくれること、そして家族のためになることを率先してやってくれるので、次第に信頼感を強くする。そこへある事件が起きて ・・・ 〕


〔続く〕

ポスター
(C)2013 Adam David Productions 

                 ※『ザ・ゲスト』 公式サイト:the-guest.jp/

  ■ 11月8日より東京・シネマサンシャイン池袋、ユナイテッドシネマ札幌ほかにて
                          全国ロードショー 配給:ショウゲート ■



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新作プレビュー  『 ザ・ゲスト 』  < 後編 >

◆ 急な来客ご用心、こんな客ならすぐ追ン出せ!

ガンファイト
▲ 射撃の腕も〝常人〟とは思われぬ正確さ。デイヴィッド(D・スティーヴンス)、おたく、何者?
  (C)2013 Adam David Productions 


 < 前編 > で書いた粗筋以上のストーリーに関する事はもはや書けません。ちょっとでも内容を知っちゃうとつまんない、続きは劇場で。

 ただ、このピーターソン家の食客となったデイヴィッドが、何のために、何の目的でこの家にやってきたのか、って事が話の核心になっていくわけで、コレは見ていれば誰でもそうなる。しかもこの無表情で、クールで、腕っ節は強くて、何だか判らないけど女にも強そうな デイヴィッドって一体何者? って疑問は大いに湧いてくる。コレらの事はすべて、ミステリアスなこの映画の結末にかかわってくるので、言えないわけです。

 でもデイヴィッドを演じている ダン・スティーヴンス っていいですね。NHKで放送中の 『ダウントン・アビー』 にも出ているが、そこではブロンドの髪をしっかりなでつけたカンペキな貴公子スタイル.。でもココではまるで俊敏なエリート兵って感じで、細身ながら、鋼のようなしなやかな肉体でもって、動きも軽くて素早い・・・見ていると、どことなく若き日の スティーブ・マックイーン (映画スターの方、監督じゃなくて)を思わせるところがある ( マックイーンといえば、今、テレビで流れている タグホイヤーのCM で、チラッと姿が見られますね。アレ、カッコイイなあ。 『 栄光のル・マン 』 のワンシーンか)。
 ・・・・なわけで、ダンにも好感持っちゃうわけであります。

 また<前編>で名を挙げたジョン・カーペンターやジョー・ダンテばりの、ユニークな凝った演出ってのは、実はラストのクライマックス(ココがなんとも80年代風な〝飾り付け〟というか〝趣向〟というか・・・なんですよね)にあって、だからしてココにも触れられないのですが、ジャズ野郎が一番面白いと思ったのは、このストーリー
 特に前半部分の、見知らぬ男がフラリとある家に現れて、その家に滞在して・・・という辺りのプロット(筋立て)と人間関係ですね。
 観ながら「あれ、コレってもしかすると、○○○○○○の名作『○○○○』じゃないか?」って気付いたら、あー、そうか、巧いこと現代に置き換えてやがんな、って感心しました。
 脚本を書いたサイモン・バレット(ウィンガード監督の『サプライズ』の脚本もこの人)の頭には、おそらくソレがあったものと思いますが、なかなか素敵な〝換骨奪胎〟ではないか、と。
 だからサスペンスやスリラーに詳しい映画ファンなら余計に楽しく見られるし、そういうのに無知な人でもそれなりに楽しめる。

 とにかくダン・スティーヴンスの 怪しげなイケメン ぶりを見ているだけでも、女性ファンはウットリくるんじゃないでしょうか。


                       サブ2
     ▲デイヴィッドに疑いを持ち始めたアナ(M・モンロー)とルーク(B・マイヤー)の姉弟
       (C)2013 Adam David Productions 

              ※『ザ・ゲスト』 公式サイト:the-guest.jp/

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『 ラストシーンの余韻 』 発売中!
映画ライター・高村英次、初の書き下ろし長編 『 ラストシーンの余韻 酒乱と失態、女難と頑迷、監督・溝口健二の狂おしき人生 』

高村英次

Author:高村英次
電子書籍版はアマゾン Kindleストア 及び 楽天ブックスから、紙の書籍版は製本直送.comより発売。直近の各コラムの末尾にある発売告知から販売サイトに遷移、またはポップアップ画面が出ますので、そこで購入できます。 

< プロフィール >
血液型:A型
趣味:サイクリング&ウォーキング&クッキング、デジカメでの写真・動画撮影
好きな場所:札幌ドーム、中島公園、中央図書館、豊平川
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