新作プレビュー  スタローン会心の新作 『バレット』

◆ スタさんとヒルさんのご機嫌バイオレンス超特急!

 〝スタさん〟といえば、ジャズ野郎と同世代の洋画ファンならば、1970年代のTVシリーズ『スタスキー&ハッチ』の刑事スタスキーの渾名(テレビ放映時の日本語版での渾名)を思い出すハズですが、そのスタさんを演じていたのはポール・マイケル・グレイザーで、このTVシリーズをベン・スティラー&オーウェン・ウィルソン主演でリメイクした劇場版(2004)では、ハッチ役のデビッド・ソウル(大ヒット曲『やすらぎの季節』は名曲)とともにスタさんも最後にチラっと姿を見せていました・・・などとコッチのスタさんの話ではないのです。今もアクションで現役バリバリの〝スタさん〟こと シルベスター・スタローン(シルベスターの スタさん )の新作の話である。

 この 『バレット』 は春に公開された『エクスペンダブルス2』(2012)に引き続いての、スタさん主演のスーパー・アクションでもって、老いて険が立ってきて、どことなく人相が険悪な感じ(暗~い)になってきたスタさんが、イマドキのヤング・アクション・スターばりにキレたアクションを存分に見せてます(シュワちゃんは〝ちゃん〟でいいが、スタローンは〝スタちゃん〟にはならない)。

 ストーリーを簡単に紹介しとくと、海兵隊員上がりの殺し屋ジミー(スタさん)は元警官の悪党を仕留めた後、罠に嵌められ相棒を殺され、自身も凶悪&巧緻な凄腕のヒットマン、キーガン(ジェイソン・モモア)に襲われる。元警官の悪事を追及する、正義派の刑事テイラー(コリアン俳優のサン・カン)はジミーに接近し協力を要請するが断られ、逆に謎の一味に命を救われた所をジミーに助けられるハメに。殺し屋と刑事、立場の違う二人は対立しながらも、事件の核心に迫っていく……。

 キレたアクションつったって、監督が 『ゲッタウェイ』 (1972)のシナリオを書いて サム・ペキンパー 監督(流血の美学)とつるんでた、あの ウォルター・ヒル (ウォルターの ヒルさん )だからして、「派手な見せ場をブッ込みまくるイマドキなアクション演出はやらんだろう」「クールに決めるハズ」と思っていたら、コレがヤルのですな。いや、ヤルなんてもんじゃない! もうメチャメチャやってまっせぇ、てな感じ。
 今、最先端のアクション映画を手がけている、ヒルさんにすれば息子か孫みたいな、若い世代の監督よりもさらにハードでスピーディな・・・もっと言えば劇画タッチの撮り方(編集処理)をしておる。これには従来からのウォルター・ヒル・マニア(つまりジャズ野郎世代)は、ちょっと「ムムム」と考えざるを得ません。とにかく描写も展開もテキパキ速くて、どこからどこまでスピーディ(とはいえ、会話シーンなんかはちゃんと撮ってますが)。場面転換の際の劇画アニメ的な趣向などは、どう考えてよいものか。






 実はヒルさん、この作品 まで監督業をしばらくお休みしてました(2002年の 『デッドロック』 以来)。ヒルさんは脚本家上がりだから、昨年公開された〝エイリアン・ビギニング〟ともいうべき『プロメテウス』(2012)などの一連の『エイリアン』シリーズでは製作を担当していて、よって監督業が無の間も映画界と縁は切れてなかった。
 しかし本業の監督業、アクション監督としての仕事は、今回のスタさんとの初コラボ作が久しぶりのメガホン。しかも 70歳 を超えての活劇でやんす。まー、それを思うとアクション・シーンは鈍ってませんな、キレてる、キレまくってる。アクション捌きの手腕は錆び付いてないどころか、むしろ若返っている。だから、そうしたアクションのキレと劇画調の映像処理を、我々のような旧来のヒル・マニアがどう受け取るかでしょうね。コレは人それぞれ。

「人それぞれ、なんて逃げやがって・・・オマエはどう思ってんだい!?」
なんて問い詰められると、花粉症でダウン気味のジャズめもタジタジとなりますが、やっぱり 『ロング・ライダーズ』 (1980)みたいなヒル作品が好きなんでね(コレって、いわゆるジェシー・ジェームズを扱った西部劇のピークでしょ)、なんと申し上げてよいものやら・・・(と言えば、勘の良い人は判ってくれるはず)。

 でも、〝やっぱりヒルさんやなあ〟と思ったのはこの『バレット』の中に、
裸の女(いろっぺー姐チャン)、
● 目を背けたくなるような バイオレンス (血まみれの銃撃戦&肉弾相打つ殴り合い)、
(カー・アクション)
 をちゃんと出してくる所。そう、自分の好きなモンしか出してこない。ここらあたりに70年代アクションの衣鉢を継いだウォルター・ヒルの心意気が、男臭さがよく出ていて、嬉しゅうございました。

 あ、結局、ヒルさんの話ばっかで、主演のスタさんの話はしませんでしたね。まぁ、いつものスタさんです(笑)。でもなんだか、いつもの彼とは違うような、何か違和感が・・・と思ったら、トーハツ(頭髪)ですかな。アレ、こんなヘアスタイルだっけ? しかも刺青入れてるから、まるでトーエイ(東映)任侠映画の鶴田浩二に見えちまう。
 しかしプレスシートにある【DIRECTOR'S INTERVIEW(監督インタビュー)】に
「…僕〔ヒル監督〕から頼んだのは、髪を切ってもらうこと。…(略)…」(※)
 とあるので、あれはヒル監督のリクエストなんですね。そうか、ヅラじゃないのか、とちょっと安心・・・(?)。

  ■ 6月1日より全国ロードショー 提供:カルチュア・パブリッシャーズ 配給:松竹 ■

『バレット』マスコミ用プレスシート内、「DIRECTOR'S INTERVIEW」(TEXT by 宇野維正)から引用させていただきました。


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