新作プレビュー  『 42  世界を変えた男 』  ( 3 )

◆誇り高き 42番 がヘイト・スピーチを封殺する!

 とはいえ、どんなに『 42 』が感動的だといっても、野球ってだけで敬遠する人もいるでしょう。最近は、広島県出身者以外にも広島東洋カープのファンが増えて、中でも女性のカープ・ファンが急増中とのことですが、殊、映画となると別で、野球映画というだけで途端に腰が退けてくる。
 例えば--

「ワタシ、野球、知らないから、無理・・・。だって前にブラピの『マネーボール』って見たけど、あんま良く分んなかったしィ・・・」(30代・OL)

 なんて人もいるハズ。
 でもご安心を! 『マネーボール』 (2011・米)とはタイプが違うんです。『マネーボール』は佳き野球映画ですが、如何せん野球マニアの心理を渋く描きすぎて、ワーッと盛り上がる高揚感に乏しい。そこへいくと『 42 』はもう全篇「ワー!」だらけで、野球オンチの人でも良~く判りやす(ホンマかいな)。

 加えて、この『 42 』は、最近、世間を騒がしている、徒党を組んで ヘイト・スピーチ に参加している人(大人)に是非見てもらいたい。近頃の中・韓のやり口を日本人の側から見れば、確かに徒党を組んで文句を言いたくなるのも判る。判るけれども、その、声を張り上げ、眼なじりを決して他者(他国、他国民)をののしる行為を、子供達はしっかり見ている。子供に、人を憎むツラを見せちゃあ、いけない。

 ジャズ野郎は、『 42 』の中でグッときて泣いてしまったシーンが3回ほどありました。
 さっきから言ってるように、劇中のエピソードについてはあまり書きたくないんだ(配給のワーナーさんにも悪いし)。だけど1シーンだけは書かかせてもらおう。

〔 ドジャースへの昇格が決まったロビンソンがNYへ向かうため、地方の駅から列車に乗りこむ。駅にいた子供達は彼に気づいて騒ぎ出す。その中の一人の黒人少年がタラップを上がっていくロビンソンと目が合い、「黒人初のメジャー選手だ!」と感極まったその子は彼が乗りこんだ列車を追いかけてプラットホームを走り出す。少年はプラットホームの端から地面に飛び降り、走り去る列車をなおも追い続ける。列車はついに見えなくなったが、その子は線路に身を伏せてレールに片耳を当てる。列車の音を聞くためだ。少年はその音を聞きながら、自分とロビンソンが〝繋がっている〟ことを噛みしめる・・・ 〕

 この少年が、その後(1969年)、とてつもない偉業を成し遂げる一員になることが、映画のエンディングで明かされる。その〝69年の奇跡〟の事はジャズ野郎も知っていた。だから(心の中で)叫びましたよ、「アー、お前さんは、あの時、そこの選手だったのかッ!」って。

 『 42 』に限らず、メジャー・リーグを、アメリカ野球を題材にした作品には、こうした子供の視点で〝野球(選手)を見る〟というシーンが必ず出てくる。初めて野球場へ行って感動したり、試合を見て興奮したり、ダイアモンドでプレーする選手達を憧れの眼差しで追ったりする時の子供達の表情はキラキラと輝いていて、そこに野球を リスペクトする崇高な一瞬 が沸きあがってきて、胸を突かれる。
 こうしたシーンは、大体において子供の視点で〝仰ぎ見る〟感じ(仰角)で捉えられていて、憧れや希望に胸膨らませた子供達の眩しいような、嬉しいような高揚感がみなぎっており、それを見た大人達をも幸福にしてくれる・・・。


 だから--子供達に見せるのは、他者をののしる醜いツラではなく、ロビンソンのようなエキサイティングなプレー=魂が勝利する崇高な瞬間、じゃないですかね。  


■ 11月1日より東京・丸の内ピカデリー、札幌シネマフロンティア、ユナイテッド・シネマ札幌ほか全国ロードショー 配給:ワーナー・ブラザース映画 ■


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映画ライター・高村英次、初の書き下ろし長編 『 ラストシーンの余韻 酒乱と失態、女難と頑迷、監督・溝口健二の狂おしき人生 』

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