ブログ1周年記念エッセイ <フィルムに埋もれる> その1

◆ 編集機材を借りてはみたけれど

 今日1月16日でちょうど 1周年 と相成った当ブログ。
 昨年の同日にアップした「大島渚もまた死す」がその第1回でしたが、つい先日も淡路恵子さんが亡くなったので本来ならば淡路さんのことを書くべきかもしれません。でもいつも他人の書いた映画本・書籍の引用ばかりしているので、たまには自分のことを綴りましょうか。来週までアニバーサリー・ウィークということで〝10日間〟ほど、回顧談をアップします(清水宏監督の話は、またしてもしばしお休みです)。お付き合い下さい。

                    *****

 ずっと以前に書いたコラムで、ジャズ野郎が大学で松竹や日活で活躍した〝コバケイさん〟こと小林桂三郎監督に教えを請うた事を書きましたが (2013年5月11日付【Coffee Break 監督と助監督 その3 〔松竹編〕 】) 、その学校を卒業するためには1本、映画を撮らなくちゃいけない。この卒業製作、ビデオで作ってもよかったけれど、「映画」を撮りたくてそこに入ったのだから、4年の卒制は当然、16㎜のフィルムで撮りました。
 今、振り返っても〝地獄だった〟としか思えない、約半年にわたる(てんやわんやな)撮影を終え、ようやく編集に入ったのが10月だったか、11月だったか。
 校舎4階の編集ルームに、朝から晩まで居座って、フィルムを切ったり繋げたりする毎日。
 編集は、最初(タイトル、オープニング・カット)からドラマ部分を経て最後(ラストシーン、エンドマーク、クレジット)まで繋いでいくわけですが、その編集には鉄製の支柱がついたリワインダーとかモニター画面のついた編集機(ホントは映写機器だけど、面倒だから編集機で通します)などの一式が必要となる。もしこれらを移送しようとすると、重い上に嵩張るから、車に積まないと運べない。 

 で・・・編集室に入って1ヵ月程すぎても、ジャズ野郎は自作の編集を終えられなかった。たかが30分内外の他愛のない寸劇(もはや映画とは呼べません)にも拘わらず、不器用ゆえに編集作業はちっとも捗らない。
 そして年末。大学は正月休み。その間、学校は閉まり、編集室にも入れなくなるから、編集中であろうが、なんだろうが、我々映画学科の学生の製作はストップということになる。
 だが、「それじゃ、オレの映画は完成しない」と思い、焦ったジャズ野郎は担当講師に頼んだ。

「年末年始の間、編集機材を下宿に持ち帰ってもいいですか!」

 と、こんな感じで言ったかどうか覚えてないけれど、実際、借りてこられたわけだから、そんな事を言って頼んだのでしょう・・・いや、本当を言うと自分から頼んだ記憶もないのです。だから・・・きっと、その担当講師に

「お前は作業の進行がノロいから、フィルムと編集機を家に持ってって、やってこい!」

 とドヤされた。ウン、コッチの方が正しい。なにせ、その講師(現・教授)は高圧的で、年がら年中、上からガミガミ言ってるオッサンでしたから。
 とはいえ、そんなふうにガミガミ言わないと「ヤレない」のも事実でして、だからジャズ野郎はこの講師の事を悪く思ってないし、むしろ、「卒業」させてくれたから恩人だと半ば感謝もしています。
 とはいえ、「家に持ってって、ヤレー!」と怒鳴ったその講師は、こう釘を刺した。

「いいか、この編集機材は高いんだ。だから本来は門外不出、貸し出しちゃいけないことになってる。そこを曲げて、特別に貸すんだ。だから、いいか、正月明けの学校初日、朝イチに機材を持ってきて、返却しろ。もし遅れて来たら・・・」

「遅れたら、何なんですか?」

「ブン殴るからな!」

「 ・・・ 」
                                        〔続く〕


< 『祇園の姉妹』や『浪華悲歌』で日本映画にリアリズムを打ち立て、
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Author:高村英次
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