新作プレビュー  『 ジャージー・ボーイズ 』  < 中篇 >

◆ 永遠の〝Can't Take My Eyes Off You〟はこうして世に出た!

 〝ついでに、この作品の褒める部分も < 中篇 > です〟なんて書いたけど、その部分はちょっと書くことが出来ないんですよね。だって書いちゃうとつまんない、観に行く楽しみがなくなっちゃう。
 だから本当は、この映画の中でいわば誕生秘話が明かされる〝名曲〟についても教えたくないのだが・・・でも予告編やTVスポットでも流れてるから、そこは言ってもいいでしょう。

           その曲とは --〝Can't Take My Eyes Off You〟
                   邦題名 --「君の瞳に恋してる」 

 今もCMやTV番組のBGMで流れるこの曲ですが、その場合のバージョンは、1980年代に ボーイズ・タウン・ギャング (BTG) がディスコ調にアレンジしたヤツですが、このカバー曲は、当時、メッチャ大ヒット! 
 ノリのいいダンサブルな曲調だから、隆盛していたディスコでもかけられまくっていたと思います。ちょうどこの曲がリリースされた1982年に大学に入り、東京にやって来たジャズ野郎は、来るべき卒業制作の資金(映画の製作費)作りのためにバイトに没入していて、そのバイト先のM歯科医院でよくこの曲を耳にしました。診察室のラジオからよ~くこの曲が流れてきたんですよね、何度も何度も。それこそ ヘビー・ローテーション です。

 で、コレが流れると、もう、M先生の後ろで治療の助手をしていたジャズめは黙っていられなかった。曲に合わせて歌いたくなり、軽快なリズムにのっかてモゾモゾと足でステップを踏む真似なんかして・・・。もう、落ち着かないこと甚だしかった。
 この時のジャズ野郎のバイトってのは、歯科医院で先生のお手伝いをする歯科助手というヤツ。コレ、素人の自分でもやれたから(当時は)資格はいらなかったんじゃないかと思うけど、どういう仕事をするかというと、患者さんを座席に案内したり、患者さんの歯のレントゲン写真を撮って現像したり、虫歯の型を取ったり、虫歯につめるアマルガム(詰め物)を練ってみたり・・・といった軽作業でほとんど楽チン。

 にもかかわらず、このM先生にはよく怒られた! 「マジメにやんなさい!」とよく言われた。
 確かにマジメにやってなかった、という自覚はある。しかし、マジメにやってはいたんだ・・・だけど、若気の至りで失敗ばかりやらかしていたのも事実。
 特に、患者さんが若い女性だったりすると、どうにも照れちゃって、その患者さんの顔が映るミラーに自分の顔が映る(鏡の中で目と目が合う)ってのが恥ずかしくて、なんとなく診察席から離れてちゃう。するとM先生に、
 「もっとコッチに来なさい!」と注意される。
 歯のレントゲン写真を撮ったはいいが、その現像に失敗して白衣を汚す(飛び散った現像液が白衣に黒々とした斑点を作る)と、
 「キミ、もっとちゃんとやりなさい! その白衣だって高いもんなんだゾ!」
 と脳天からガッツリ怒られた。

 これらはすべて、弁解の余地もなくジャズ野郎が悪いのですが、そんな事があっても、この歯科医のM先生は人情味があって、いつもバイト代を1万円余分にくれた
 そんな人、なかなかいませんよね。それほどの事をしてもらっていたのに、それを当たり前のように思って、だま~って貰っていたジャズめは、本当に世間知らずというか、恩知らずというか、バカというか。今、時々思い出すと涙なしにはいられないんだけど・・・M先生、ありがとうございました。


 普通、「君の瞳に恋してる」を巡る想い出といえば、好きな姉ちゃんと踊ったり、綺麗な娘をナンパしたりしたり、デートした時、ディスコのBGMとして流れていた、というようなロマンチックかつ欲望に満ちたエピソードだと思いますけど、貧乏な大学1回生のジャズめのそれは、こんなショボい出来事でしかない。
 そんなショボくて、ミジメで、暗~い想い出しかないにもかかわらず、やっぱり「君の瞳に恋してる」は聴けばハッピーになり、ドリーミィーで、それこそアゲアゲな気分にさせてくれるから、名曲には違いない。

                       フランキー・ヴァリ
                     ▲ 熱唱するフランキー・ヴァリ(ジョン・ロイド・ヤング)
        (C)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC ENTERTAINMENT


 BTG がカバーしたポップで、グルーヴィーな名曲が、いつどうやって生まれてきたのか、ってのがこの 『ジャージー・ボーイズ』 で描かれる。それをまったく知らずに観ていたので、そのエピソードが出て来た時には 身体が震えました
 もちろん、それをフランキー・ヴァリが歌うシーンも出て来ます。もちろん、オリジナルのアレンジだから、僕らが知ってるディスコ調のそれではない。

 でも泣けまっせ、どういう思いでヴァリがこの曲を歌ったか、ってのを知ったら・・・。    〔続く〕

■ 9月27日より東京・丸の内ピカデリー、札幌シネマフロンティアほかにて
                  全国ロードショー  配給:ワーナー・ブラザース映画 ■


※ 映画『ジャージー・ボーイズ』日本版ホームページ:http://wwws.warnerbros.co.jp/jerseyboys/


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