新作プレビュー  『 ジャッジ 裁かれる判事 』  < 前編 >

  2015年、明けましておめでとうございます。
            本年も当ブログをお引き立てくださいますよう、
                           よろしくお願い申し上げます。
    

 と、遅まきながら新年のご挨拶。いろいろ事情がありまして、年明けから2週間もたっての謹賀新年とはなりましたが、早速、今年も新作映画のご紹介からスタートします。

                   ************


◆ 『 ジャッジ 』 ・・・ デイヴィッド・ドブキン監督の最高傑作!

ジャッジ メイン
▲ 法廷の父と息子。判事のジョセフ(R・デュバル、右)と弁護士のハンク(R・ダウニーJr.)
  (C)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNERBROS. ENTERTAINMENT INC.
  AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC


  このブログで、今年最初の <新作プレビュー> で、この作品を紹介できることを、誇りに思います。

 昨年の暮れ、試写会で終わりの方に観たのがこの 『ジャッジ』 でしたが、観終わって帰る道すがら、いい映画を観た余韻に浸りました。いつもの、ジャズ野郎の早計なクセが出て「もう15年のベストワンはこれだ」などとも思ってしまいましたが、2015年、この作品以上に胸を震わせる映画が果たして出るでしょうか・・・おそらく、出る、でしょう、毎年、そうだから。
 洋画は「あ、コレいいな。コレが一番だ」と思っても、さらにいいのが出て来る。層が厚い。その点、邦画とは違います。

 とにかく 『ジャッジ』 には感動した。ジャッジ、つまり裁判でいうところの判事ですが、この場合のジャッジは地方の裁判所で判決を言い渡す役職で、言うなれば裁判長。インディアナ州の片田舎の町で40年余も判事を続けてきた、いわば町の正義を司ってきた判事の父と、大都会ロスに出て高給獲りの敏腕弁護士として名を馳せる息子の葛藤を描く・・・ま、それだけの話なら今までにもあった。
 
 だが、この映画は父の判事が交通事故を起こして被害者を死亡させてしまい、その弁護を息子が担う、という展開を見せる。

   エー、父親を息子が弁護するってェ? 
            同じ肉親同志で弁護したり、されたりしていいの? 
                       しかも父は法律関係者の判事だってのに・・・?

 などと法律関係に超疎いジャズめは思いましたが、向こう(アメリカ)ではどうもいいようですな。でないと、このドラマ、成立しませんもん。

 監督は デイヴィッド・ドブキン で、この人は劇場長編第1作の 『ムーンライド・ドライブ』 (1998)は犯罪スリラーだったものの、『シャンハイ・ナイト』 (2003)とか 『ウェディング・クラッッシャーズ』 (2005、日本未公開)、『ブラザーサンタ』 (2007)といったようにコメディ系のイメージが強い。そんな人が製作・原案を兼任、つまり自分で撮ろうとして温めていた企画だったってわけだが、コメディの監督が親子の感情をとてもデリケートに綴るシリアスな題材をやろうとした。そういう意味では、ドブキン監督、なかなか志が高い。

 とはいえ、アメリカの監督さんはコメディ系のディレクターでもシリアス・ドラマを撮れって言われれば、実に上手く撮ったりする。懐が深いし、実によく勉強している。
 アメリカにおける監督の職能、つまりフィルム演出はいわば技術職で、決まった期日までに何カット撮っていないといけないって事。よって今日は最低でも10カットは撮る、となればそのスケジュール通りに、適切・的確に撮る、というのが眼目で、日本のようにいつまでも粘りに粘って撮るのが 映画監督の <演出> だ、っていうのとは違う。
 おまけに、そんな具合にビジネスライクに撮影したフィルムが、きちんと売り物になる画になっていて、繋げるとちゃんとクオリティの高いドラマになっている・・・これは大した事だし、その上で「上手い」「下手」といった評価が監督に下される。
 だからコメディだろうか、犯罪モノだろうが、アクションだろうが、ラブ・ロマンスだろうが題材を厭わずに、撮る時はきちんと撮る。その上で、この監督は喜劇が得手だ、とか、恋愛物が上手い、ってことになるんだろうけど、ドブキン監督は実に巧かった。

 今回、ドブキンさんはシナリオから関わっているので、ドラマ(映像)の細部に目配りがなされているのも当然なんだろうけど、それにしても・・・

               お見それしました! って感じでしたね。

                 素晴らしい2時間22分でした。

〔続く〕

         ポスター
(C)2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNERBROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

         ※『ジャッジ 裁かれる判事』 公式HP : www.thejudge.jp

     ■ 1月17日より東京・新宿ピカデリー、札幌シネマフロンティアほかにて
                 ロードショー   配給:ワーナー・ブラザース映画  ■



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