新作プレビュー  『 きっと、星のせいじゃない。 』  < 後編 >

◆ シャイリーン、2015年にショート・ヘア旋風を巻き起こせ!

 きっと 2
 ▲ 恋するヘイゼル(シャイリーン・ウッドリー)。 (C)2014 TWENTIETH CENTURY FOX


  まー、なンつっても、〝きっと、星のせいじゃない。〟ってタイトルがいいね。このタイトルがまず気に入った。コレ、原作(本)があるから、ソッチ(出版元)でつけられた題名なんだろうけど、コレでまず見たくなる(原題は The Fault In Our Stars あえて訳すなら、〝我らの星たちの欠点〟、または〝--の欠陥〟、または〝--のキズ〟ってトコか)。

 そして次にいいのが・・・とその前に、粗筋をば。

〔 17歳のヘイゼル(シャイリーン・ウッドリー)は末期のガン患者で、常に酸素ボンベを必携し、鼻には吸入用の管が通ってるけど、ショートカットがゴッツウ似合うキュートな女の子。
 彼女、読書家で家に籠もりがちになるから、両親は娘を外に出させようと施設に連れて行く。ヘイゼルはそこで自分と同じような若いガン患者が集うグループトークの場に引っ張り出されるが、彼女はそういうのが大嫌い。
 大嫌いだけれど、その中にちょっとイカす男の子ガス(オーガスタス、演じるはアンセル・エルゴート)がいて、まぁ、向こうからモーションかけてくるもんだから悪い気もせず、なんとなくそのままつきあってたら、なんかイイ感じになって・・・。

 でも結局、お互い末期ガン患者、先は見えてる。だから今楽しくても、どうせ・・・って、以前なら暗い心境にもなったけど、ヘイゼルは頭でっかちで人嫌いだった己の〝殻〟を破って、初めての恋にざぶーんとダイブ! ガスにどんどん惹かれてゆく。

 やがてガスはヘイゼルが崇めている愛読書の著者でアムステルダムの作家ピーター・ヴァン・ホーデン(ウィレム・デフォー)にメールで連絡を取り、彼女を伴ってのオランダ渡航を企てる。
 それを知ったヘイゼルは天にも昇る心地。ヘイゼルの病状急変が心配されるから、二人だけでオランダ行くってわけにはいかず、ヘイゼルのママ(ローラ・ダーン)がお目付役で同伴することにはなったけど、それでも二人は胸はずませてジャンボに搭乗! 
             そして喜び勇んでヴァン・ホーデンの自宅を訪ねるのだが・・・?! 〕



 先にも書いたけど、難病モノっていうよりも、難病というオマケがくっついた青春映画って感じで、青春映画ならば主人公を演じるスター、男・女優のパーソナリティ(個性)ですべてが決まる。

           その点、この二人は問題ないですな。

 ヘイゼル役の シャイリーン・ウッドリー は、3年前(第84回)のオスカー候補だったジョージ・クルーニーの 『ファミリー・ツリー』 (2011)で、クルーニーの反抗的な娘を演じてた若手だけど、その頃から「伸びてきそうだなあ」と思ってたら、ちゃんと伸びてきましたね。

 彼女みたいにスッキリした親しみやすいルックスで、それでもって ショート・カット (コイツが似合ってんだ!)っつうと、五十路のオッサンとしてはかつての

テイタム・オニール ( 代表作は『ペーパームーン』 <1973> や 『がんばれ!ベアーズ』 <1976>、プロテニス・プレーヤー、ジョン・マッケンローの元妻)

クリスティ・マクニコル (なんて人、知ってまっか? テイタムと『リトル・ダーリング』 <1980>って映画で共演して、その当時 <80年代初期>、結構人気あったんよ・・・でもてっきりショートだと思ってたが、ネットにアップされてる当時のヘアスタイルを見ると、ショート・カットじゃない。ファラ・フォーセットが流行らせた長いレイヤードを肩あたりでカットした、モコモコしたヘアスタイル。それはそうと、先頃、この人、自分は同性愛者だとカミングアウトしたとか。ウーム、人生いろいろ、です)、
メアリー・スチュアート・マスターソン 『 恋しくて 』 <1987>・・・コレで決まりでしょ )
 とかネ。

 ジャズ野郎よりもっと上の世代の映画ファンなら、ショート・カットの美女ってぇと、おそらく 『勝手にしやがれ』 <1960> のジーン・セバーグあたりからラインナップを始めちゃうでしょう。

 あ、少女時代の ウィノナ・ライダー もショート・ヘア( 『ルーカスの初恋メモリー』 <1986> )でホント可愛かった・・・なんて人達が思い出されちゃうけど、シャイリーンの場合、賢そうで、頭良さ気に見えるところがトクですな。

 片やガス役の アンセル・エルゴート (クロエ・モレッツ・グレースの『キャリー』<2013>に出てた)は賢くは見えないけれど親しみやすく、男のダチにも好かれる感じのエエ奴で好感持てます。笑ったら若い頃のポール・ニューマンみたいに顔がクシャクシャになって・・・こういうあたり、女性ファンが見たら「カ~ワユ~イ」てなことになるのでは。

  この主人公二人のういういしい、フレッシュな個性が開花して、すんなりと楽しめて、チョッピリ泣ける、いい仕上がりになってます。

 ウィレム・デフォー が演じている作家ヴァン・ホーデンのことも詳しく書きたかったですが、ま、これは見てのお楽しみ。

 原作にあるんだろうけど、デフォーが演じるこのヴァン・ホーデンを訪ねてオランダに行き、アムステルダムの街を散策する。このデート・シーン、まるでハネムーンのような感じでとてもステキなんだけど、ただステキってだけじゃない。デフォー演じるヘンクツな作家がちょいとビターな役回りで、有頂天の二人を現実に引き戻す(この苦い~~い趣向がまたイイネ)。
 そして(確か)作家の家を訪ねた後に、あの アンネ・フランク一家 が隠れ住んでいたアパート(記念館になっている)に行くんだけれど、そこに関心しましたね。余命幾ばくもない二人が、若くして命を奪われたアンネの家を訪ねる・・・あー、なかなか巧いことやるなあ、って。アンネの家を訪ねる、ってだけで、命の大事さを噛みしめる(限られた生を精一杯生きろ)・・・と、こんなメッセージがしぜんと胸に届いてくる。コレ、セリフで言っちゃったりしたら興醒めなんだよな。

 死んじゃって終わり、なのではなく、死んでから始まる(こともある)・・・って教えられた気がしましたよ。


 きっと 3
 ▲ ヴァン・ホーデンが予約してくれた超リッチなレストランでディナーを味わうふたり。
   (C)2014 TWENTIETH CENTURY FOX

 監督はジョシュ・ブーンって人で長篇2作目の人ですが、脚本を書いている スコット・ノイスタッターマイケル・H・ウェバー は、恋愛コメディの佳品 『(500日)のサマー』 (2009)を書いたコンビ。アッチコッチとイメージが飛び跳ね、ちょこざいな小細工が効いたこの映画、ジャズ野郎はゾッコン好きでして、『きっと、星のせいじゃない。』 の試写を観に行ったのも、このコンビがシナリオだったから。
 『きっと-』は『(500日)のサマー』みたいな奔放な語り口やテクは抑えて、しかしライトで親密な視点はそのままに、繊細かつ心優しいタッチになってます。

   『 きっと、星のせいじゃない。 』 公式HP : http://www.foxmovies-jp.com/kitto-hoshi/

      ■ 2月20日より全国ロードショー  配給:20世紀フォックス映画 ■

< 『祇園の姉妹』や『浪華悲歌』で日本映画にリアリズムを打ち立て、
  『西鶴一代女』『雨月物語』などの名作を放った溝口健二の人生を、
  伊藤大輔・小津安二郎・黒澤明などのライバル監督&スタッフとの
  確執とともに描いた、
        『 ラストシーンの余韻 』 〔電子書籍版〕、
                アマゾンkindleストアから発売中! >


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

The Food Court ♪

いっぱい食べるキミが好き~ ♪♪♪

SPORTS & CASUALS ♪

いっぱい遊ぶキミが好き~♪♪♪

お役立ちエリア ♪

ナイスな便利グッズ&サービスをご提供!

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

Powered By FC2ブログ

今すぐブログを作ろう!

Powered By FC2ブログ

『 ラストシーンの余韻 』 発売中!
映画ライター・高村英次、初の書き下ろし長編 『 ラストシーンの余韻 酒乱と失態、女難と頑迷、監督・溝口健二の狂おしき人生 』

高村英次

Author:高村英次
電子書籍版はアマゾン Kindleストア 及び 楽天ブックスから、紙の書籍版は製本直送.comより発売。直近の各コラムの末尾にある発売告知から販売サイトに遷移、またはポップアップ画面が出ますので、そこで購入できます。 

< プロフィール >
血液型:A型
趣味:サイクリング&ウォーキング&クッキング、デジカメでの写真・動画撮影
好きな場所:札幌ドーム、中島公園、中央図書館、豊平川
好物:コーヒー、ジンギスカン、スープカレー、ラーメン、「ロイズ」のソフトクリーム、「シャトレーゼ」のアイスバー・ピュルテ(塩キャラメル味)、びっくりドンキー、はま寿司、セイコーマート

My Blog Visitors
CAT TIME !
Calendar

Le TAO ♪
春の光だ、マチに飛び出せ! ・・・ ルタオです ♪♪♪
FC2 ブログランキング
FC2 Blog Ranking
[ジャンルランキング]
映画
573位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
邦画
17位
アクセスランキングを見る>>
リンク
最新記事
松尾ジンギスカン ♪
北海道の郷土料理にしてベスト!
カテゴリ
月別アーカイブ
リーズナブルな旅をご案内 ♪
書を捨てよ、旅へ出よう~ ♪
Amazon DVD RANKING
イチバン人気の映画をチェック!
検索フォーム
最新コメント
MAIL BOX
名前はハンドル名でOK、文面は公開しないので、お気軽に!

名前:
メール:
件名:
本文:

最新トラックバック
QRコード
QR