新作プレビュー  『 ラン・オールナイト 』   < その1 >

◆ 遅れてきたアクション・スター、R・ニーソンとセラ監督の最新作

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 ▲ 組織に追われる殺し屋 ジミー ( リーアム・ニーソン )。
   (C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.


     それにしても ・・・ リーアム・ニーソンがこんなふうにバケるとは思わなかった。


 スクリーン登場は1981年のジョン・ブアマン作品 『エクスカリバー』 あたりからで、(80年代に売れっ子プロデューサーだった)デビッド・パットナム製作&ロバート・デ・ニーロ主演の 『ミッション』( 1986)やイーストウッドの 『ダーティハリー5』 (1988、バディ・ヴァン・ホーン監督)なんかに出てたってことだが、印象は薄かった(『-5』には、後にお馬鹿コメディで人気を博すジム・キャリーも出てる)。

 ニーソンの存在をハッキリ意識したのは 『ダークマン』 (1990、サム・ライミ監督)から。『バードマン』じゃないよ、『ダークマン』。オモロかったなぁ、この映画。悲劇と不運の二重スパイラルでダーク・ワールドの超人となってしまったニーソンが半泣きで活躍する、オフザケもちょっぴり入ったサム・ライミらしいダーク・コメディだったけど、端正なマスクで限りなくツイてない〝しくじり〟ヒーローを演じてたニーソンは、北欧風の顔(ホントは北アイルランド出身)には悲壮感や疲労感があって、ちょっと線の細い弱々しい感じもしたけれど、似合ってた。
 以後、その線=〝重荷や苦労を抱えた〟キャラクターを演じるようになるのだけれど、その代表作がスピルバーグ監督の 『シンドラーのリスト』 (1993)でしょうか。
 『マイケル・コリンズ』 (1996、ニール・ジョーダン監督)で賞を貰ったり(ヴェネチア映画祭主演男優賞)、再開したスターウォーズ〔エピソード1、1999〕で クワイ=ガン・ジン というキャラクターを演じたりと順風満帆で、これから先は歳を取っていくにつれ、自然と渋~~~い老け役がまわってくる・・・だから、無理せず、焦らず、ドーンとおさまり返っていればいい。

 とそんな具合に眺めてたんだけど、一体どうした事なんでしょうね、ここ数年のアクション志向は!  もはやアクション・スターといっても過言じゃない。
 そしてまたそれが似合うんだよなあ、意外にも。

 疲れた中年オヤジのハズなのに、まるで ジェイソン・ボーン みたいに素早く動き回って、ガンプレイもアクロバティックな格闘技アクションもバッシバッシと決めて、とにかく異常に強~~い。来月、63歳になるオッサンなのにだよ、マイッタね。

 このニーソン・アクションの流れがどこから始まったのか、は正確には分からないけど、まあ、あのフォックス映画 『96時間』 シリーズ (2008~14、全3作)あたりからじゃないのかな。
 
実はこの『96時間』の翌年の2009年に、彼は愛妻の ナターシャ・リチャードソン を亡くしている。ナターシャは 『侍女の物語』 (1990、フォルカー・シュレンドルフ監督)、『ネル』 (1994、ジョディ・フォスター監督)などに出た女優さんで、そのファミリーネーム〝リチャードソン〟からも判るように、英国の異才 トニー・リチャードソン 監督の娘(トニーと女優ヴァネッサ・レッドグレイヴの長女)で、前夫と離婚した後、ニーソンと1994年に結婚。
 ナターシャと結婚するまでのニーソンは、憂いを秘めたハンサムで背格好も堂々たるものだから、引く手あまたのモテ男でかなりのプレイボーイだったという話を 『 G Q 』 (『シンドラーのリスト』公開時の特集記事) で読んだ覚えがあるけれど、ナターシャと結婚してからは良き夫、佳き家庭人になったらしい。
 ところが2009年にその愛妻に先立たれた(子供2人あり)・・・ニーソンの悲嘆はひとかたならぬものであったと思うけど、どうも彼はその悲憤を仕事に叩きつけたようで、2010年以降は逆に映画出演が増えている! 

 2009年以前は、年平均3本だったものが、以後は4~5本平均というハードさ。

 そんな中、2011年だけは出演作がたった1本。

 それが ジャウム・コレット=セラ 監督との初コラボ 『 アンノウン 』 (※)

 この作品でニーソンとセラ監督は、どうやら〝同志〟になったようでございます。  <続く>

  『アンノウン』 については 【 新作プレビュー 『 フライト・ゲーム 』 <前篇> 】〔2014年9月5日付〕 を参照のこと。


             ポスター
             (C)2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

    『 ラン・オールナイト 』 公式HP : http://wwws.warnerbros.co.jp/runallnight/

 ■ 5月16日より東京・丸の内ピカデリー、ユナイテッド・シネマ札幌
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