特別コラム   1985年8月12日を巡る曖昧な記憶

◆ 日航機123便が墜ちた日、私は・・・?   <その1>

 6月から7月前半にかけて体調不良でグズグズしているうちに連載の「名画座という名のタイムマシン」の続きをどう書くんだったかを忘れ、さらにその間に試写で観たマーティン・ルーサー・キング牧師の人間臭くて力強い実録映画 『グローリー 明日への行進』 の事も書けなくて・・・もはや書く意欲が失せておりました。
 今年、戦後70年の節目だし、あと少しで8月15日(終戦の日)だからその日まで反戦を叫び続けた巨匠 「今井正」 の記事をアップしとくのもいいだろう、と思っていましたが、今年は同時に御巣鷹山に日航機が墜落した大惨事から30年だと気づき、それに関する新事実もニュースなどでチラホラ報道されている。
 そんなものを見ていたら、あの日、自分が何をしていたかを思い出したので、久々につらつら書いてみましょう。まんざら映画と関係ないわけでもないので・・・。

                         *******

 あの日、1985年(昭和60)8月12日、終戦の8月15日まであと3日というこの日は、例によってとても暑かったと記憶する。

 この日、ジャズ野郎が何をしていたかというと、映画を撮っていたんですな、16㎜を。正確に言うと、その翌日の13日に自分の下宿前の道路で行う撮影のために、キャメラマンと助監督(ともに大学の学友)とともに自室で打合せをしていた(その夜はそのまま雑魚寝)。
 123便が墜落したのが夕方の18時頃だったから、夜のニュースだと思うけど、そこで日航機が消えたという一報を放送していたんじゃないだろうか。でもその時はまさか墜落したとは思っていなかった。それよりも明日の撮影の事で頭がいっぱいだった。

 この映画ってのは前にも書いた大学(日芸)の卒業制作用の作品 〔※1〕。自分が監督(&脚本)なのに、行きがかり上、何故か自分がその主役を演ることになってしまった、短編のコメディを撮るために、その夏は青息吐息で毎日駆けずり回っていたのですが、その当日の13日は朝からちょっとハイでした。

 何故って、撮るシーンがラストシーンだったから。そのラストは、罪(殺人)を犯した主演の男女が手に手を取って逃げるというシーンで、チャップリン映画(のラスト)によくあるような、地平線のずっと向こうまで続く一本道をその男女がずっと歩いて逃げていく、という「いわゆる、よくある」カットだった。で、それを撮る場所に選んだのが、当時、自分が下宿していたお宅の前の道! 

 そう、なんともお手軽なロケ設定なのでございます!

 お手軽とはいえ、映画の最後を締めくくるラストシーンを撮るのだから、まあ、それが嬉しくてウキウキと心は弾む。といってもラスト以外のシーンの撮影はまだゴマンと残っていて、これでクランクアップとはいかないのだけれど、ケツ(結末)を撮っちまうと、
「よ~し、コレでラストは決まった。ここに繋がってくる他のシーンの撮影もがんばろう!」
ってな具合にファイトも湧いてくる。

 そんなこんなで、あれやこれやと下宿の周りを駆けずり回っていた時に、録音のNが囁いた。
「昨日、行方不明になった日航機、やっぱり墜落したようだよ。それで今、すごい事になってるらしい」

 そんな事をソイツが言ったのが、(8月13日の)ラストシーンを撮る前の、飯休みの正午ごろだったか、撮影が終了して撤収していた夕方ごろだったか、が定かじゃない。
 でも、とにかく「デッカイ事件が起こってるぜ」って事をソイツから聞いた事は憶えている。 〔続く〕

この時撮ってた16㎜の映画は、ブログ1周年記念コラム <フィルムに埋もれる その1~6>
( 2014年1月16日 ~27日 )
で書いた、年末年始、自分の部屋で編集していてドツボにハマッた、大学の卒業制作用の作品。


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