特別コラム   1985年8月12日を巡るあいまいな記憶

◆ 日航機が墜ちた日、私は・・・?    <その4>

 それはともかく、ようやく富山駅に着き、そこから連絡船で能登半島の突端にある珠洲に渡り、そこからJRで・・・と、アレ、ドコに行ったんだっけか?

 とにかく行った先に、目の前の浅瀬にぽっかりと小島(見附島)が浮かんだ海岸があったのを覚えている。この海岸、「恋人海岸」って名前だとばかり思っていたが、ネットで調べたら「えんむすびーち」と呼ばれているとあり、その付近には縁結びの鐘てのもあって、それに因んだものだとか。そういえば、そんな鐘があったかなあ、とうろ覚えではありますが、確か「どーか、いいカノジョが見つかりますように」とご利益にあずからんと鐘をチンチン鳴らしまくったような(もっともご利益は今にいたってもないが・・・)。
 片や、失恋したと思いこんでた、大学時代の連れ(ホントは失恋してなくて、彼女につれなくされたとソイツが勝手に思い込んでいたのだが)は、鐘を見て「縁結びの鐘だってェ!? これは皮肉だ。俺へのあてつけだ」といって泣き出しそうな顔をし、苦々しく見ていた(とはいえ、そんな事を言いながらも、しっかり鐘を鳴らしてはいました。そういうところは存外、計算高かった)。

 
 で、この見附島に行った、という記憶を今、ネットで場所を確かめながらたどると、この時乗ったのがJR奥能登線で、その終点の「蛸島」で降りて見附島まで行ったということが判った。しかしこのJR奥能登線は、第三セクターの「のと鉄道」になった挙句、2005年に鉄道そのものがなくなっていた! 北海道では今、増毛と深川を結ぶ「JR留萌線」がなくなるってことで騒いでいるけれど、過疎地域のローカル線が消滅するってのは、日本全国いずこも同じ。
 それにしても、あの奥能登線がもうないとは!

 何が思い出深いって、ジャズ野郎はこの見附島付近の民宿に泊まった翌日、その民宿に、当時、中村雅俊が『俺たちの旅』で着てたようなカーキ色の長袖のデニムのシャツを忘れたことを蛸島駅のホームに停車していた客車の中で思い出し、それ惜しさに、客車を飛び出して、一目散に走りに走って民宿まで駆け戻り、シャツをひっ掴んで、また駅に戻ってきた、という痛~い思い出(失態)がある。
 その列車に乗り損なうと、珠洲港から出る富山行(糸魚川行だったかも)の連絡船に間に合わず、それに乗れないと珠洲市で1日か2日余分に待たなければならない。蛸島から珠洲駅に向かうJRと連絡船が連絡する時間もギリギリだったから、蛸島駅に停車していた列車に絶対に乗らなければならない。それなのに、ソイツが止めるのを振り切って飛び出してったわけである。たったシャツ1枚のために。

 民宿に行って蛸島駅に駆け戻る道すがら、
「あーあ、もう列車は出ちゃったよなあ。俺ひとりで東京に帰るのか・・・」
と半ば諦めていたのだけれど、とっくに出てるハズの列車はまだホームにあった。

               「 ? ッ ・・・・・・」

 一緒に旅行していた、失恋したと思い込んでいた傷心のソイツが、車掌にわけを話して、列車を停めていてくれたのだ

 〝 オー、サンキュー、さすが我が友(こんな時だけ・・・アッシも現金っす)! 〟

 その時は有難いと思ったけど、後でソイツがまー、そのことを恩に着せること、着せること!
 田舎の、1日に10本もないような単線の鉄道ってのは、庶民的で理解があってヨソから来た旅人には優しくてそれで「待っててくれたんだ」と思うんだけど、それにしてもあの時ほど「有難い」と思ったことはない。


 ・・・アレ、飛行機事故の話はどこいった?  あ、ついつい忘れるとこだった。
 見附島近くの民宿に宿を取って、その晩か、その次の晩に近くにある「見附茶屋」という店に行って、ここらへんの名物(だったと思う)「鳥なべ」をつついていた時、かかっていた店のラジオに臨時ニュースが流れた ・・・ 1983年8月31日

   大韓航空機が墜落した、と()。

 しかもそれは、どうもソ連の戦闘機に撃墜されたようだ、と。

 
 それを聴いた時、二人とも箸が止まった。顔を見合わせて、黙ってラジオに聞き耳を立てた。しばらくして、けたたましかった臨時ニュースのアナウンスが終わり、静かなトーク番組に戻ったら、店のすぐ外にある海岸の潮騒の音がやけに大きく聴こえてきたっけ。

「これからどうなるんだろう」
 とただならぬ不安を抱きながら、二人して潮騒が聴こえてくる暗い海を眺めていました。なにか、妙に寂しい気がした。


 そういうわけで、大学在学中には、「羽田沖墜落事故」「大韓航空機撃墜事件」、そして「日航ジャンボ機墜落事故」と3つもドデカイ飛行機事故があったのです。幸いにして、自分の親族や身内がそれらに巻き込まれたって事はないのですが、とても他人事とは思えない強烈な感情が今も残ってます。    [終]

この大韓航空機撃墜事件は、北朝鮮スパイがしかけた時限爆弾で爆破墜落した、1987年11月29日の「大韓航空機爆破事件」(あの〝蜂谷真由美〟=金賢姫で有名な)とは別物。


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