新作プレビュー  『 ヴィンセントが教えてくれたこと 』  < その2 >

◆ シラケた不良老人ビル・マーレイに学ぶ、よりよい〝意地悪ジジイ〟になる方法

 VメインP3
 ▲ 昼下がり、優雅なひとときを過ごすヴィンセント(B・マーレイ、右)とオリ
  バー少年(J・リーベラー)
       (C)2014 St. V Films 2013 LLC. All Rights Reserved.


        では、あら筋をば--

〔 七十手前か、せいぜい60代のヴィンセント (ビル・マーレイ) は、朝から恋人のストリッパー・ダカ(ナオミ・ワッツ)とベッドで一戦交えてる。ダカのお腹はポッコリふくらんで・・・そう、彼女、妊娠してるのだが、そんな事お構いなしに朝からセッセと励むふたり。事を終えたダカはヴィンセントに毒づくとさっさと家を出て行く。
 とっちらかった家の中に一人取り越されたヴィンセントは、愛猫のフェリックスを抱いてソファで昼寝だ。誰に煩わされることもなく、文句を言われることもない日常は、ひたすら自堕落で、ショボクレてはいるもののすこぶる快適である。

 そんな彼の日常に波風が立ち始める。隣に、シングルマザーのマギー(メリッサ・マッカーシー)一家が越してきたからだ。マギーの引っ越し業者に家の柵を壊されたヴィンセントは、その文句をマギーに言い、弁償しろと詰め寄る。実はその前から柵は壊れていたのだが、この思いつきのペテンとイカサマ、ゴリ押しクレーム、そしてギャンブルと酒をたのみに彼は今まで生きてきた。

 そんな不良老人ともいうべきヴィンセントは、ひょんな事からマギーの一人息子・オリバー(ジェイソン・リーベラー)を昼間預かるシッターの役を仰せつかる。マギーは看護士で朝も早よから働き、夜勤もあるから小学生のオリバーの世話ができない。女手ひとつのけなげな奮闘に、ふてくされジジイのヴィンセントもさすがに同情して・・・なんてことはなく、時給12ドルという高額謝礼をふんだくった上に、〝こんな俺が、わざわざ、この子の面倒を見てやるんだぞぉ〟と言わんばかりに恩を着せ、〝上から目線〟のシッター就任である・・・観ているコッチも胸くそが悪くなってくる。

 おまけに、ヴィンセントは学校で虐められたオリバーにけんかの仕方を教えてイジメッ子をブッ飛ばさせ、競馬場で子供に金を賭けさせ、場末のバーまで付き合わせる・・・社会勉強と言うにはまだ早い! 
 ヴィンセントじいサンのやってる事はほとんど〝不良のススメ〟、アンタは社会悪そのものか、と思っていたら、じいサン、オリバーをある施設に連れてった。そこにはヴィンセントの大事な人が・・・・ 〕



 少々長くなったけど、枝葉を書けばもっといろいろあるのだが、まあ、後は映画館で確認して下さい。

 とにかくオリバーの面倒を見ることになったとはいっても、スナック菓子を与えるだけでロクに飯は食わさないし、ストリッパーの恋人がうろつく自宅に連れてきて一緒に生活させるという、およそ教育上よろしくない事ばかりをやらかすヴィンセント。子供がいるから遠慮するとか配慮するなんてことは、最初から頭になく、それらを母のマギーに窘められても 「だってアナタがオレに息子を見てくれ、って頼んだんだろう!」 と開き直る始末。
 まったくとりつく島もないほど、自堕落でグータラで、そんな自分を変えないヴィンセントなのだけど、そんな彼にもいろいろね、ま、あるわけですよ。グータラしていても、ダテに長くは生きてない。やっぱあるんです、人に言えない事が・・・

    そいつもやっぱり劇場で確認かなあ、言っちゃうとつまんないから。      <続く>

     ※ 『ヴィンセントが教えてくれたこと』 公式HP : http://vincent.jp/

■ 東京・TOHOシネマズ日本橋、札幌・ディノスシネマズ札幌劇場ほか
                全国で公開中               配給:キノフィルムズ ■



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映画ライター・高村英次、初の書き下ろし長編 『 ラストシーンの余韻 酒乱と失態、女難と頑迷、監督・溝口健二の狂おしき人生 』

高村英次

Author:高村英次
電子書籍版はアマゾン Kindleストア 及び 楽天ブックスから、紙の書籍版は製本直送.comより発売。直近の各コラムの末尾にある発売告知から販売サイトに遷移、またはポップアップ画面が出ますので、そこで購入できます。 

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