新作プレビュー  『 ヴィンセントが教えてくれたこと 』  < その3 >

◆ どんな人にも伝記作家は必要だ <前編>

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 ▲ ヴィンセントからケンカの勝ち方を習うオリバー
         (C)2014 St. V Films 2013 LLC. All Rights Reserved.


 〝 どんな人にも伝記作家は必要 だ〟-- コレは映画に出てくる言葉でもなんでもない。ジャズ野郎がある時期から思っている事で、そうだなあ、親父が死んだ頃からかな。

 うちの父親は堅く生きた人で、国から大層な賞をもらったりはしなかったが、家族のために一生懸命働いてくれた。まあ、どこにでもいる普通の父親だったと思うけれど、その子供である私にはやはりかけがえのない存在で、あの時はこうだった、あの時はこうしてくれた、というありがたい思い出しか、今は浮かばない。それらはイチイチ私の脳裏をかすめ、そのたびに頭を垂れ、思い沈むけれども、そうした父のしてくれた行為(偉業)というものは、私の記憶には残るけれども、他人の人にはまったく伝わらない。ま、伝わらなくてもいいのだが、コレがやはり遺子の息子(ジャズめ)となると、〝こういう男がいた事をなんとかどこかに残したい〟と思う。
 だから人は親や家族の思い出をエッセイとかなにかの文章に残したりするんだろうけど、いわゆる政治家とかのお偉いさんとか作家、画家などの芸術家、タレント、芸能人の娘だとか息子とかなら、書き残しても本になったりして、それが売り出されてみんなが知ることができる。
 そこへいくと、名もない一般人は、せいぜいブログかフェイスブックに書く程度じゃないですかね。それでも昔と違ってインターネットやSNSがあるから、そんな事もできるわけですが。

 それはともかく、ウチの父のような名もない人の生死を、その人生を、どのように生きてきたのかを側にいて観察し、事細かく記録してくれるような、そんな存在って必要なんじゃないのかな、といつの間にか思うようになってきた。
 
 生まれて成長して、学校に上がって、就職して、結婚して、子供が生まれて、その子供を育てて・・・という誰もが同じように営む、しがない人生であっても、人それぞれに違いがあって、まったく同じ人生というものはないハズだ。学校に上がったり卒業したりはほぼ同じでも、学校生活の中身は違うに決まってるし、就職なんかみんな違う。結婚する人もいれば別れる人もいたり、子供がいる人もいれば、いない人もいる。
 と、そういう、その人物だけの人生のピンキリをずっと観ていて、何かに残しておく。別に文章じゃなくてもいい、写真でも、ビデオでも(個人的には、映像はちょっと心に食い込みすぎるので、やっぱ文章程度でいいように思いますが)。

 そんな風に何かに残しておかないと、亡くなって火葬場で焼かれて灰になったら、その人の思い出ってのは心の中だけにしかないってことになる。それでもいい、と最初は思っていたけど、その思い出を有している自分が死んじゃえば、親の記憶もなくなるんだ・・・なんて思い始めてからですかね、「伝記作家は必要だ」なんて考え出したのは。                  <続く>

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▲ 「ホントは隣のぐうたらジジイさんに預けたくなんだけど・・」と思ってる母の
  マギー(M・マッカーシー、右) (C)2014 St. V Films 2013 LLC. All Rights Reserved.

     ※『ヴィンセントが教えてくれたこと』 公式HP: http://vincent.jp/

■ 東京・TOHOシネマズ日本橋、札幌・ディノスシネマズ札幌劇場ほか
             全国で公開中               配給:キノフィルムズ ■



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映画ライター・高村英次、初の書き下ろし長編 『 ラストシーンの余韻 酒乱と失態、女難と頑迷、監督・溝口健二の狂おしき人生 』

高村英次

Author:高村英次
電子書籍版はアマゾン Kindleストア 及び 楽天ブックスから、紙の書籍版は製本直送.comより発売。直近の各コラムの末尾にある発売告知から販売サイトに遷移、またはポップアップ画面が出ますので、そこで購入できます。 

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趣味:サイクリング&ウォーキング&クッキング、デジカメでの写真・動画撮影
好きな場所:札幌ドーム、中島公園、中央図書館、豊平川
好物:コーヒー、ジンギスカン、スープカレー、ラーメン、「ロイズ」のソフトクリーム、「シャトレーゼ」のアイスバー・ピュルテ(塩キャラメル味)、びっくりドンキー、はま寿司、セイコーマート

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