新作プレビュー  シュワルツェネッガーの 『ラストスタンド』

◆ スクリーンに 「シュワッ」 と〝I'll be back〟!

 カリフォルニア州知事への就任、そして退任、その後チョロチョロとゲストで顔を見せていたアーノルド・シュワルツェネッガーの久々の本格主演作。しかもド派手なアクションと聞いたから、こいつは見に行かなきゃ、と気負ったが、監督があのどーしよーもない凡作『グッド・バッド・ウィアード』(2008年)のキム・ジウンだってことを先に知ってれば、試写を見に行くことはなかったネ。
 イマドキのアクションで一番ダメなタイプ--「ただスピーディーなだけで、起承転結も、伏線も演出の旨味も何もない、CG駆使してぇのド派手で、ドやかましく、ドあつかましい」--だったから、この人の映画はもう見ないと心に決めていたのだが、なあーんだ、キムさん、チャンと撮れるじゃないですか。出来るならちゃんとやって下さい、と言いたくなるほどドラマ部分は落ちついてキッチリ撮り、アクションでは馬力を効かせてブイブイやってくれている。こんな具合に、緩急を付けてくれればいいのです。
 しかもコレ、3Dじゃない。アー、これまた最高ですね。3D眼鏡が煩わしく、PCのブルーライトで目をやられているジャズ野郎としては、ノーマルな2D映画が一番よろしい。

 で、いきなり判っちゃう。何が判るかっていうと・・・シュワちゃんが田舎の保安官で凶悪な脱獄犯一味を迎え撃つのだが、シュワちゃんの仲間ってのが超ショボイ。三下みたいな若い男女の助手と武器オタクの馬鹿とメキシコ(ヒスパニック)系のオヤジ、そして保安官事務所のブタ箱にブチ込まれた女助手の元カレのみ(味方が少人数のたった5人!)・・・とくりゃ、アレですよ。この設定でこれが何の映画か判らないなら、もう一度、小学校に入り直してください。ハワード・ホークス監督 『リオ・ブラボー』 (1959年)でございます。まぁ、もう、臆面もなくマネでございます、これぞハリウッド映画でございます!
 もちろん、『リオ・ブラボー』の設定は下敷きで、ストーリーは現代風にアレンジ。ド胆抜く脱走シーンにカーチェイス、そんでもって銃撃戦に殴り合い、と趣向はもう「ラーメン二郎」ばりのコッテリなてんこ盛り! その一つ一つの描写、例えば殴り合いならパンチの1発1発が重いのがいい。ガツンときます、見てるコッチに。

 それにしても、シュワちゃん、よろしいな。いかにも頼りない年少の助手達を叱咤激励するばかりでなく、贅肉とお年齢(とし)でもってますます小回りがきかなくなったボディを駆使して大熱演、ってなぁ、泣けてくる。
 助手達が敵に囲まれてアワヤ! てな時に、車で乗り付けて、ライフル構えてズドンとやるポーズなんか堂に入ったもんだ。やっぱり風格というか、頼れる男って感じがする。映画休養前より一層そうした重量感がある。
 この映画を見る前に、マスコミ用のプレスシーンを眺めていて、「そういえば、シュワルツェネッガーって西部劇に出てないな」なんて思ってましたが、この映画はまさに西部劇の現代版。シュワちゃんはまさに保安官で登場するわけで、その姿は往年の チャールトン・ヘストン のようであり、ライフルをぶっ放す姿は ジョン・ウェイン のようでもあり。 コレ、お世辞じゃないです、本当によぎりました、そのイメージが。

 かくてシュワルツェネッガーはスクリーンに〝I'll be back〟した。
 西部劇の王ジョン・ウェインは 『ラスト・シューティスト』 (1976年)でスクリーンを去った(この3年後、胃癌で死亡。これが遺作となった)が、シュワちゃんは『ラストスタンド』でスクリーンに戻ってきた。
 喜ばしいことである。

        ■  4月27日ロードショー   配給:松竹ポニーキャニオン ■


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映画ライター・高村英次、初の書き下ろし長編 『 ラストシーンの余韻 酒乱と失態、女難と頑迷、監督・溝口健二の狂おしき人生 』

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