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03/24のツイートまとめ

JAZZyaro

日ハムの北広島移転決定って・・・コレって、日ハム人気の「終わりの始まり」じゃない? https://t.co/6kVCU6hH6f
03-24 22:42

『スリー・ビルボード』、地域社会で行動を起こすとは・・・(最終回)

◆ 煮えたぎる溶鉱炉のような群像劇をサラリと描くマクドナー監督

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▲ 対立するディクソンとミルドレッド  (C)2017 Twentieth Century Fox


 黒澤明監督の傑作に『酔いどれ天使』(1948・東宝)がある。この映画を評した言葉に、(ドラマが)ぐつぐつと煮えたぎってる--ってのがあるのだが、筋立てやキャラクターを比較すると、『スリー・ビルボード』もまさに煮えたぎった人間ドラマに違いない。

 ミルドレッド役のフランセス・マクドーマンドは、頭にバンダナ、地味な紺色のツナギ(戦闘服?)姿で出てくるが、口元を引き締めたその表情は“女イーストウッド”、または“女キース・リチャーズ”と言っていいような頑固な面構えで、もうテコでも動かない、って感じ。
 片やサム・ロックウェルが演じるチンピラ上がりのヘボ巡査ディクソンは、よくこんなのをオマワリにしたな、と思うようなヒステリックなヤツで、知性も教養もない男。
 ちょうどこの映画を試写で見た時(2017年11月)、アメリカで白人警官が黒人を無造作に射殺し、それに対して全米で抗議デモがあって、そのデモの行列に暴走車が突っ込んで女性ひとりが亡くなり、それに関してトランプ大統領がデモしてたヤツラも凶暴だったと言って、地元警察をかばうような発言をしたから事態がさらにややっこしくなった--って騒動があったから、この狂犬としか思えないロックェルのバカ警官がひどくリアルに思えたモノだ(サム・ロックウェル、この役で助演男優賞獲ったけど、一世一代のいい役だったな)。


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▲ 町を闊歩するディクソン  (C)2017 Twentieth Century Fox


 そしてこうした偏向したヤンチャ青年が、なぜ町の治安を守る警察官になれるのか、というその暗愚なプロセスもよく分かった。時の警察署長が、「この人物、警官良し、採用!」とお墨付きを与えれば、すぐにバッヂを付けてパトカーを乗り回せるようなイージーな取り決めがあるのだ(きっと州によって違うんだろうけど)。

 そうか、道理でこんなディクソンみたいなクソ野郎でもお巡りになれるんだ--とそう理解したあたりで、ドでかい事件が起こり、その嫌疑がミルドレッドにかかって・・・とあんまりストーリーを話したくないのでここまでにするが、そこで彼女を救うのは意外な人物
 また後に挫折するディクソンがある意外な人間に救われるのだが、それもまたここで言うわけにはいかない。
 てな具合に予想外の、予想も付かないリアルな展開が後半うち続き、ミルドレッド、ディクソン以外にも憤怒を抱えた偏向した人物が集ってきて、まさにドラマは『酔いどれ天使』ばりにグツグツと煮えたぎっていく。

 しかしドラマ自体はグツグツ煮えているが、荒涼なミズーリ郊外の景観のせいか、印象としてはクールで淡々とした感じでドラマが進んでいく。このホットな劇をクールに設える、といった感じの作り方が「なかなかやるなー!」と思わせるのです。

 監督のマーティン・マクドナーが脚本も書いていて、今回、作品賞、脚本賞だけのノミネート(監督賞はノーノミネート)だったが、この人は素晴らしい。もっと評価していい逸材だ。

 そしてこの意外や意外、意表つきまくりの紆余曲折があって「一体、この映画、どんな具合に落ち着くんだろう?」と途中から気がかりになってくるドラマの果てには、これまた予想もし得ない、素晴らしいエンディングが待っている。
 これが、あまりにも、こっちの思惑を超えたオチだった。クエンティン・タランティーノとかスパイク・ジョーンズとかチャーリー・カウフマン、ミッシェル・ゴンドリーとかこうした人達も意外すぎる展開、あっと驚く新路線、てな脚本(シノプシス)でアッとは思わせるけれど、如何せん、その意外さを見せたいだけの場当たり(いい加減)的な路線変更で、結局は筋が通ってないパターンが多い。

 そこへいくとこの『スリー・ビルボード』のドラマと人間の練り方は理に適った一級品。褒めても褒めすぎってことはない。『シェイプ・オブ・ウォ-ター』を観に行って、いっぱいで入れなかったらコッチを観てね。失望はさせません。

 おまけに、この後、公開される『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』ってのも「観るべき」と言っておこう。

 偶然か、必然か、『スリー・ビルボード』も『シェイプ・オブ・ウォーター』も『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』もすべてフォックス・サテライト、つまり20世紀フォックスの配給作品。
 あゝ、『スター・ウォーズ』をディズニーに獲られる前後から大したヒットもなく、ディカプリオの暗い『レヴェナント 蘇えりし者』(2015)でオスカーを獲ったものの、長~く沈潜していたフォックスだったが、ようやくここで春が来た。フォックス・ファンとしちゃ、嬉しい限りだ。


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▲ ディクソンと彼の母親の怠惰な日常。トランプ大統領の言う、
忘れられた白人貧困層、ってのは彼らの事?
(C)2017 Twentieth Century Fox

★『スリー・ビルボード』公式HP:http://www.foxmovies-jp.com/threebillboards/


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『スリー・ビルボード』、地域社会で行動を起こすとは・・・(3)

◆ 日本の地方都市(いなか)でも十分描けるシチュエーション

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▲ 3つの看板に“広告”を出したミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)
(C)2017 Twentieth Century Fox

 『スリー・ビルボード』、原題はそのまんま“THREE BILLBOARDS”
 ビルボード(BILLBOARD)って聞くと、アメリカの有名な音楽業界誌、またはそこが運営している音楽チャート(ランキング)をすぐに思い浮かべちゃうが、もともとは“看板”って意味。
 つまり、3つの看板・・・ン、でそれがどうした? と最初はそう思ったが、こんなそっけないタイトルを冠したこの作品は、強烈にアクチュアルでホットで巧緻な人間ドラマなのである。

 あらすじをば。

●STORY●
 ミズーリ州のド田舎の町エビング--1日に数台しか車の通らない町外れの道路、そこにあった3つの大きな看板に突然、広告が張り出される。

「レイプされて死亡」
「なぜ? ウィロビー署長」
「犯人逮捕はまだか?」


 意見広告にも告発文にも思えるコレを出したのは、7ヶ月前に娘を暴行されて殺された母のミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)。一向に進まぬ捜査、犯人が逮捕されぬ状態に業を煮やした彼女が、地元警察を叱咤して事件を解決させるためにとった大胆な行動がコレだった。さっそくマスコミが彼女と娘の事件を取材に町を訪れる。
 名指しで職務怠慢を突きつけられた形のウィロビー署長(ウッディ・ハレルソン)は、すぐ頭に血が上る部下のディクソン巡査(サム・ロックウェル)を伴って、ミルドレッドの元を訪れ、広告の撤去を訴えるが、彼女は頑としてソレをはねつける。その頑固な態度をいまいましく思うディクソン。

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▲ ウィロビー署長(W・ハレルソン、左)とミルドレッド
ハレルソンも控えめな演技で助演男優賞候補に。
(C)2017 Twentieth Century Fox

 ミルドレッドの娘の事件の捜査は当然行っていたのだが、アメリカの何処でも起こるような行きずりのレイプ殺人なので、犯人の手がかりも少なく、暗礁に乗り上げていた。おまけにウィロビー署長は末期ガンで余命わずか。残された日々を少しでも安逸に過ごしたい、と願っていた矢先のミルドレッドの看板騒動である。これが重く心にのしかかって彼は思い悩む。
 その悩む姿を目の当たりにしたディクソンは、自力で広告を撤去しようと、町の広告屋に乗り込み、担当者のレッド(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)に交渉するが、それがやがて脅しとなり、怒り狂った挙げ句に、レッドを袋だたきにして二階の窓からほうり投げてしまう。
 エビングのあちこちで狂気がフツフツと熾り出し、やがてミルドレッドにも魔の手が・・・。



 事の発端はミルドレッドが広告を出した、ってこと。
 数年間、誰も広告を出してない、うち捨てられていた巨大看板に、地元警察のケツを叩くべく、ドーンとでっかい意見広告を出したことだったが、やったのはそれだけの事で、彼女は警察署に押しかけてガナリ立ててもいないし、町の大通で抗議パレードをやったり、デモッたりもしていない。なけなしの金をはたいて、巨大看板に1年の期限で広告を出しただけ
 それが、というかその広告の文章が意味深だったがゆえに、マスコミが取り上げ、それを気にした警察が「オイ、ちょっとそんなの止めてくれよ」と言ってくる。
 この“反響”こそがミルドレッドの狙いであり、このせいで警察も見て見ぬふりができなくなり、娘を殺した犯人捜しに精を出すだろう、と彼女は読んでいた。
 それはまさしく図に当たって、映画の途中まで彼女の書いた筋書き通りに進んでいく・
・・かに思えるのだが、それが途中からグワ~~~~ンと右旋回、左旋回!

 エエッ、この映画、どうなっちゃうの?!

<続く>

★『スリー・ビルボード』公式HP:http://www.foxmovies-jp.com/threebillboards/

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▲ 魂が震えたゼ!
(C)2017 Twentieth Century Fox

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『スリー・ビルボード』、地域社会で行動を起こすとは・・・(2)

◆ サリー・ホーキンスに主演女優賞をあげたかった

イライザと卵
▲ “カレ”が大好きなゆで卵を並べるイライザ(サリー・ホーキンス)
(C)2017 Twentieth Century Fox

 とにかくダーク・ファンタジー『シェイプ・オブ・ウォ-ター』が第90回のアカデミー作品賞を受賞したのはよかった。

 冒険的なまでに野心的で、かつ独創性に貫かれた、異才ギレルモ・デル・トロ監督らしい作品だった。

 どこが冒険的なまでに野心的で、独創的なのか、についてはきっと大勢のライターさんがブログやヤフーのなんとかに書くからそこで読んでもらうことにしましょう。
 私が残念に思うのは、主演女優賞を『スリー・ビルボード』のフランセス・マクドーマンドではなく、『シェイプ~』のサリー・ホーキンスが獲ってほしかったってこと。そして作品賞を『スリー・ビルボード』が獲ればよかったのに、と。
 『スリー・ビルボード』のマクドーマンドは確かに素晴らしい。それには何の文句もないし、むしろ賞を進呈したいくらい。でも『ファーゴ』(1996)ですでに主演女優賞を獲っている。だから余計にサリー・ホーキンスにあげたかったのだ。

 喋れないというハンデを持ちながら、そのハンデゆえに異性体と恋に落ちることができるヒロインを、ホーキンスは演じています。まあ、普通に演じても別に感動は変わらない。
 ところがホーキンスは、悲劇的な境遇にあるイライザをただの可哀そうなヒロインというのではなく、(おそらくそれはデル・トロ監督の意向に拠るのでしょうが)生身の肉体をもった女性として演じている。
 確かオープニング・クレジットの終わりあたりで、バスタブに入ってくつろぐ彼女が映し出され、そこでちょっと〝あること〟をしてることが描かれる。ホンの一瞬なので気付かないもしれないが、このあることがドラマの中で何度も出てくる。

 それが凄いと思いましたよ。

 かつて私たちがガキの頃、深夜映画でこわごわ見た『大アマゾンの半魚人』(1954 ジャック・アーノルド)みたいなB級ホラーをネタにして、これを大胆にも切ない切ないラブストーリーに改変してのけた、ってだけでも拍手モノなのに、そのヒロインをただのお人形さんじゃなく肉体をもった存在(人間)として描くとは・・・。ホントはこれ、当たり前のことなんだけど、なかなかここまで深堀して描けない。
 ハンデキャッパーや障碍者を取り上げて〝同情を誘うように無難に、持ち上げるようにしか描けない〟日本の映画やテレビなんかには、逆立ちしてもできない芸当でっせ!

 メキシコ人の熱い血がそうさせるのかな・・・などと思いましたが、『パンス・ラビリンス』(2006)でダークサイドなファシズム世界とファンタスティックな表象とをブレンド、あるいは対比(対峙)させて描き切った、特異な演出力で(私みたいな)プロパーな映画ファンをも唸らせたデル・トロ監督のさらにチャレンジングな、そしてやさしさあふれるタッチがいいですな。
 さらに、さらに・・・これ書いちゃっていいのかな・・・劇中、ハリウッド・ミュージカルにオマージュを捧げたシーンが登場する。

 オー、マジかよーッ! ってね、ココも嬉しかった。昨年の『LA LA LAND』を思い出しちゃったぜ。デル・トロ監督自身もスタンリー・ドーネンのスタイルを参考にした、って言ってる。
 
 やっぱ、みんな好きなんだよな、スタンリー・ドーネン監督が。

 しかも今回、同作の音楽でアカデミー作曲賞を受賞したアレクサンドル・デスプラは、ニーノ・ロータ(*)ジョルジュ・ドルリューの作風を採用した、とか。へー、そうか、そんな裏ネタを知ったからにゃあ、観ないわけにはいかんな。

 ン、スタンリー・ドーネンもニーノ・ロータもジョルジュ・ドルリューも知らないって? 
 そうか、そんな人達とはとても“映画的友人”になれないから、早々にこのブログから立ち去るが宜しい。

 それはともかく『シェイプ・オブ・ウォーター』、ぜひ、ご覧ください。

 と褒めつつも、私は作品賞は『スリー・ビルボード』に獲ってほしかったのです。だって、どんなに褒めても褒めすぎにならないような、ローカル・タウンの衆愚な人間関係を描いた巧妙な社会派ドラマなんですから! <続く>

* ニーノ・ロータは、平昌オリンピックの男子フィギュアで、日本の田中刑事がフリーで滑った時の使用曲“フェデリコ・フェリーニ・メドレー”の作曲者。イタリアが世界に誇る映画音楽家で、フェリーニ作品はニーノ・ロータなしでは語れない。


悪人と善人
▲ 軍のクソ野郎、ストリックランド(マイケル・シャノン、左)と
ホフステトラー博士(マイケル・スタールバーグ)。私はこの
ホフステトラー博士が好きです。冷戦時代を舞台にした作品で、
こういう心優しきロシア人(当時はソ連人ですが)を描いてく
れた、ってことが嬉しかった。
(C)2017 Twentieth Century Fox

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『スリー・ビルボード』、地域社会で行動を起こすとは・・・(1)

◆ 『シェイプ・オブ・ウォーター』の受賞は時代の変化か?

SOW サリー
▲得体の知れぬ、何者かを見つめるイライザ(サリー・ホーキンス)
(C)2017 Twentieth Century Fox

 例によって、今年もアカデミー賞が発表されました。第90回だから、ある意味、記念の式典なのだと思うけど、昨年“あんな事”があったので授賞にかかわるある部署は過敏なまでに神経質になっていたよう。
 “あんな事”ってご存知、昨年の授賞式でクライマックスの作品賞発表の時に、受賞封筒の間違い事件で、本来「A Winner is・・・『MOONLIGHT』」となるハズが「A Winner is ・・・『LA LA LAND』!」と発表された失態。プレゼンターのウォーレン・ベイティ&フェイ・ダナウェイ(言わずと知れたボニー&クライド、の二人ね。今年も出てたね)は慌てて発表し直したが、大喜びで舞台に集まった『LA LA LAND』のスタッフ一同と、モノホン受賞者『MOONLIGHT』一行がステージ上でひしめきあって、てんやわんやのドッチラケ。
 見世物としては逆にとっても面白くて、さすがハリウッドって感じがしましたが。
 受賞封筒を“ミスパス”した監査法人プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は、今回も管理を担当したが、封筒の管理者を増やすなど最新の注意を払ったらしい。もっとも昨年、受賞作品のレターを誤配した会計士は、アカデミーから追放されたというから、ま、当然でしょうね。
 このエピソードに、1930年代のアカデミー授賞式で実際に起こったフランク・キャプラ監督の早トチリ&赤っ恥事件を紹介し、それをモチーフにした映画『オスカー』(1966、ラッセル・ラウズ監督)の事もこのコラムで紹介したハズ。関心のあるムキはそちらをどーぞ。

 ただ少々意外だった、今回の授賞結果には!
 『シェイプ・オブ・ウォーター』の作品賞に異論があるわけではないが、大体この手の映画--ライト&ダークとりまぜのファンタジー系、SF系の作品--ってのは、出来が良くても、今までの通例からいくと大ヒット作でも作品賞には選ばれなかったもの。
 スピルバーグなんてそれでどんなに割食ってるか! 『未知との遭遇』(1978)も『ET』(1982)も候補にはなっても本賞は逸している。ジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ』(1977)もしかり。
 いや、大体、アクションやミュージカルもハズされる傾向にある。『ダイハード』(1988)
なんて作品賞の候補にも入ってないし、昨年の『LA LA LAND』(この10年に一度の、スタンリー・ドーネン監督をリスペクトした傑作ミュージカル)も最後で落ちた。

 ミュージカルは作品賞でハズされる傾向にある、なんて書いたので、今、キネ旬の「アカデミー・アワード」で調べてみたら、これが結構あるんで驚いた!

『ブロードウェイ・メロディ』(1928~1929) ハリー・ボーモント
『巨星ジーグフェルド』(1936) ロバート・Z・レナード
『巴里のアメリカ人』(1951) ヴィンセント・ミネリ
『恋の手ほどき』(1958) ヴィセント・ミネリ
『ウエスト・サイド物語』(1961) ロバート・ワイズ&ジェローム・ロビンズ
『マイ・フェア・レディ』(1964) ジョージ・キューカー
『サウンド・オブ・ミュージック』(1965) ロバート・ワイズ
『オリバー!』(1968) キャロル・リード



 ・・・の後、ず~~~と下って『シカゴ』(2002 ロブ・マーシャル)。ま、『シカゴ』はどうでもいいんだけど、アカデミー賞90回の歴史の中で、その約1割の9本もあればなかなか立派なもんだ。60年代なんて4本もあるもんな。恐れ入りやした。
 ただ、ひと言文句を言わせてもらうなら、ミロシュ・フォアマンの『ヘアー』(1979)とかスタンリー・ドーネンの『ブルックリン物語』(1978)、メル・ブルックスの(ミュージカル版の)『プロデューサーズ』(2005)、『ドリームガールズ』(2006 ビル・コンドン)も本賞をゲットしてない。ミュージカルってエンターテイメント(大衆的な音楽劇、または芸⇒娯楽)って見られるから、時事ネタを反映した社会派の問題作とかヒューマン・ドラマなんかで秀作がノミネートされると、そっちに本賞を持っていかれちゃう。
 そうなると一番割食ってるのはアクション、特に西部劇かな。1900年代は1930~1931年の『シマロン』くらいしかない。ず~~~と後、60年ほど経ってからようやくケヴィン・コスナーの『ダンス・ウィズ・ウルヴス』(1990)が出て、イーストウッドの極め付きともいえる『許されざる者』(1992)にオスカーが与えられる。
 そうか、ウエスタンも3本あるのか。そうなると一番アカデミー賞に冷たくされてるのはアクション映画か。サスペンスで作品賞を得た作品というとヒッチコック『レベッカ』(1940)や『失われた週末』(1945 ビリー・ワイルダー)、『羊たちの沈黙』(1991 ジョナサン・デミ)なんかが出てくるけど、アクションとなると・・・。
 話は違いますが、2007年に作品賞を受けたコーエン兄弟の『ノーカントリー』ってのは何だったんだろう? あれが受賞する意図ってものが、背景ってものがわからない。よく出来てた、っていえば出来てたが・・・ま、どうでもいいけれど。  <続く>


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『 ラストシーンの余韻 』 発売中!
映画ライター・高村英次、初の書き下ろし長編 『 ラストシーンの余韻 酒乱と失態、女難と頑迷、監督・溝口健二の狂おしき人生 』

高村英次

Author:高村英次
電子書籍版はアマゾン Kindleストア 及び 楽天ブックスから、紙の書籍版は製本直送.comより発売。直近の各コラムの末尾にある発売告知から販売サイトに遷移、またはポップアップ画面が出ますので、そこで購入できます。 

< プロフィール >
血液型:A型
趣味:サイクリング&ウォーキング&クッキング、デジカメでの写真・動画撮影
好きな場所:札幌ドーム、中島公園、中央図書館、豊平川
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